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トスカーナ日記

 

月15日

晴れたり曇ったり。その度に丘の緑が浮かび上がったり沈んだりし、なんだか息づいているようです。
今はアーモンドの花が満開です。

昨日は2月24日でバレンタインデーでした。
日本では女の子から男の子へ愛の告白としてチョコレートをあげる日になっているようですが、こちらは「愛の日」で女性、男性に関わらず、好きな人に贈り物をする日になっています。
でもやはり贈り物は男性からのほうが依然として多いようです。

一番の贈り物はバラの花。もしくは花束。
それから、貴金属や装飾品などの贈り物がありますが、やはり愛の日ですから、恋人と一緒に過ごしたいわけで、この日はレストランやホテルが一杯になります。
隣町のヴォルテーラにある4星のホテルのスイートルームやジャクジー付きダブルルームは早くから予約が入っていました。

私はと言うと、この日は出張クックをいたしまして、海際に大きな家を持っている友達の所に出かけていき、昼食を作ってきました。
本当は、私の家に招待したのですが、別の警察官の友達カップルも招待しており、海際の友達の家のほうが比べ物にならない程大きいので、では、あちらのほうで昼食を一緒にしましょうということになり、家からエプロン、使い慣れている包丁、調味料などを持参し、途中で、新鮮な野菜や魚の買い物をして、彼の家に到着しました。

勝手の知らない他人の家で料理をするのはあまり好きではありませんが、唯一、友達の持っているキッチングッズがそれは上等なものなので、使っていて気持ちがいいのです。
大きなキッチンにはこれまた大きな石のシンクが設置されています。

このシンクは2
m程の一枚石に1m20cmほどの窪みが開いていて、いくら水をバシャバシャ流して用事をしてもまったく気にならないのがいいところです。


私が昼食に招待しましたので、みんな食事は日本食だと思ったようなのですが、実は完全なイタリア料理で、アンテイパストはイギリスの有名な若いシェフ、ジェミー・オリヴァーが
TVで作っていたもので、パンプキンの焼いたものを底に敷き、その上にパルマのプロシュート、そしてルコラサラダを乗せ、上からパルメザンチーズの薄く削ったものを散らしたもの。バルサミコ酢を少々、そして友達の土地で採れたオリーブオイルを回しかけます。
プリモはパスタのゴルゴンゾーラチーズソースに洋ナシとクルミを添えたもの、そしてセコンドはサーモンとマスタードソース。
ドルチェは友達が持参してくれ、全員満腹になりました。

今日は日曜日。
私達の家の前にある小さな谷の土地を買った大家さんちの従弟のセルジョが、自分のブドウ畑の枝切りを始めるということで、主人のジョン・クロードが一緒にやってみたいと、午前中彼とともに出かけていきました。

1時間ほど後、私はカメラを手に降りていった所、既にジョン・クロードは慣れた手つきでチョキチョキと枝を切っていました。
春先の、まだ幹が地から栄養分を吸い上げないうちに余分な枝を切ってしまうのだそうです。そうすると、切っても切り口に汁気が出ず、そこから乾燥してしまうことを防げるのだそうです。
オリーブの枝も同じ事で、葡萄の枝切りが終われば、次回はオリーブの木です。
ただし、オリーブの枝切りは葡萄に比べると少し難しいとか。

セルジョは動物の骨をくり抜いたものを腰にさし、枝切バサミの筒として使っていました。なんとワイルド!

写真も撮り終わり、さあ帰ろうとすると、セルジョの奥さんのエレオノーラから呼び止められ、昼食に誘われました。
昼食はブドウ畑の近くにある彼らの農家で食べます。
彼らの食事は全て手作りでワイルドなものなので、返事は勿論「シィー!」です。

家に帰りコンピューターの前に座っていると、ジョン・クロードが迎えにきました。
降りていくと、古い鋼製のボイラーを半分に切ったものに火をおこし、既に3種の肉が香ばしく焼けていました。
フィレ、ローステイジャーネ(あばら骨の所)、そしてパンチェッタ。
全てセルジョが育てあげた豚肉です。
食事は、今日は肌寒いので農家の中です。

入ると、既にテーブルセッティングが出来ており、それを見るだけでお腹が空いてきます。
肉とサラダとパンとワインの素朴な食事ですが、これが美味しい!
肉は彼らの飼育した動物の肉ですから、安心して食べられるし、それにしっかり焼いているのにとても柔らかいのです。
ローステイジャーネなんて手でつかんで食べます。
塩と胡椒だけで味付けしているのに、なんと美味しいことか。
セルジョはパンでも肉でもナイフで切っては口に持っていきます。これもワイルド。

食事中はおしゃべりもにぎやかで、私達の知らないことがたくさん話題に上り面白い。
お腹が一杯になったところで、食後酒はこれも彼らの手作りのレモンチーノ。
最後にエレオノーラが魔法瓶に用意してきたコーヒーを飲んで食事は終わりになりました。
まったく素敵な日曜日のワイルド昼食でした。

ご馳走様でした!