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トスカーナ日記

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月22日

トスカーナはいいお天気です。
雨で始まった5月ですが、やっとトスカーナらしい青空が広がりました。
雨のおかげで、いつもはポピーと入れ替わりになる黄色い花もまだまだ新鮮で、平野には真っ赤なポピーの花と一緒にそれは素晴らしいブーケを見せています。
木々も青々とし、これぞトスカーナ!です。
身も心もうきうきしてしまいます。

窓の外では、葡萄やオリーブ畑を耕す機械がグ〜ン、キリキリ・・と毎日大きな音をたてながら活発に動いています。
ビバ!トスカーナ。

先週は日曜日までガイドでしたので日記をスキップしてしまいました。
ご一緒していたのは、優さんと由紀さんご夫妻。
歴史よりも食べることとワインに興味があります、というご夫妻で、トスカーナには最適な方たち。
優さんは日本ソムリエ協会認定のワインアドバイザーで、それを聞いて一番喜んだのが主人のジョン・クロードです。
一緒にワインの話が出来ると、ガイド前から楽しみにしていました。

ということでご一緒した5日間は「エノガストロノミア」に徹したのでした。


先ずは初日。
これからの5日間宿泊される3000年の歴史のある町ヴォルテーラで先ずは昼食です。
「ドン・ベタ」というレストランでトリフュを食べていただこうと思ったのですが、なんと1年中あるトリフュが5月だけないといわれ、予定を変えてトスカーナ名物の猪の肉と野うさぎの肉ソースのパスタを食べていただきました。
この猪の肉ですが、パスタと一緒に肉のソースにして食べたり、又は小さな塊をオリーブの実と煮込んだりしていますが、まったく臭みはなく柔らかいのです。日本からいらっしゃった方達は皆様ビックリされます。
そしてジョン・クロードの薦めで飲まれたのが、「サッソ・アローロ」で、優さんはトスカーナのワインの美味しさにそこでもう感激。
このワインは絶対買って帰りたいと、優さんのお気に入りのワインのひとつとなったのです。

昼食も終わり、ヴォルテーラの町の観光も済んだところで、いよいよワインバーへと移動しました。
気さくな男性二人が経営し、スローフード協会にも入会する「ヴェーナ・ディ・ヴィーノ」で最初の試飲です。
小さなワインバーですが、地下に試飲室が二つあり、そこに降りると湿気の匂いがぷーんとします。でもこの湿気はワインにはとても大切です。
さて、そこでトスカーナ名物の羊のチーズ、ぺッコリーノそしてサラミ、プロシュートともに試飲されたのが、4種類のワイン。
「カステッロ・デイ・アマ」「ブルネッロ・デイ・モンタルチーノ」「ノヴィッレ・ディ・モンテプルチアーノ・ポリチアーノ」もう1本はスーパートスカン。
ここで優さんは早速数本ご購入。

2日目は昨日食べたペッコリーノチーズ製作所、アグリツーリズモ「ファットリア・リスケット」を訪問し、そこでチーズ製作を見学しました。
ここの食堂で食べれるトスカーナのお母さんの味の昼食も面白かったのですが、この日は海際のレストランで新鮮な魚介類の昼食の予定でしたので、そこへ出発です。

海際のレストランは今私たちのお気に入りでもある、「ダ・アンドレア」。
窓際の席を予約していましたので、席に着くと目の前がすぐ海です。
ここでは3回に分かれて出てくるアンティパストを先ず一皿。
そしてその後は勿論新鮮な魚介類を楽しんでいただきました。日本では人気のあるボッタルガ(からすみ)も出てきましたね。
トスカーナ特集の雑誌などでは陸地ばかりの写真や情報が載せられていますが、実はトスカーナには海もあるんです。
そして海際の食事もまた美味しいのです。

そしてここで飲んで頂いたのが今ワインで有名になっている地ボルゲリのアンテイノリ社のヴェルメンテイーノの白ワインでした。
これが又優さんと由紀さんの大好きなワインとなったのです。私も大好き。
暑い夏に魚介類や日本食にこの冷やした白ワインがとても合うし、そして日本には入ってきていないワインだから、ぜひ日本の人たちに紹介して下さい、と優さんから進められました。
近いうちに必ずご紹介させていただきます。

昼食の後は、お気にいられた白ワインを作っている地、ボルゲリへひとっ走りです。
ここには有名なサッシカイヤやオルネライヤのカンティーナがあり、そのため大きな町だとお思いの方が多いのですが、なんとボルゲリの町は一周するのに10分もいらないくらい、こじんまりとした所なのです。
でもやはりワインで有名ですから、ヨーロッパやアメリカからの旅行者が多く、町にはエノテカや美味しいレストランがたくさんあります。
手作りのジェラートが美味しいお店あり。

ここにあるエノテカでお二人は各種のヴェルメンテイーノの白ワインを試飲されましたが、やはりレストランで飲まれたものが一番美味しいとご購入。
とにかく、優さんは安い料金でありながら有名なワインと同じくらい美味しいワイン(あるのです、そしてそれを見つけるのが面白い)、そして日本では見つけられないワインに興味がおありで、そんな土地のワインがたくさんあるエノテカの中で興味津々と言ったご様子でした。
エノテカのご主人とジョン・クロードからもいろんな情報を受けていらっしゃいました。

3日目はいよいよワイナリー訪問です。

日記にもよく載せているキヤンテイにある「
Dievole」。

10ユーロを支払い、カンテイーナを訪問しながら5種類のワインの味見をし、最後には希望でグラッパやヴィン・サントの味見もさせてくれます。
キヤンティの広大な風景の中にある素晴らしいワイナリーです。

昼食はシエナに移り、キアナ牛ステーキのキヤンティワインソースかけと生のポルチーニ茸の料理とワイン。
こんなに柔らかい肉は初めてと優さん。
ワインはキヤンテイ・クラシコ・フォンテルトリ。

4日目はヴォルテーラで開かれている朝市に行き、そこでいい匂いをさせている豚の丸焼きの味見をされました。

豚の頭もどーんと付いている長さ1
mはある肉の塊ですが、それを薄切りにしてこちらの人はパンにはさんで買い物の間に食べます。

お二人には肉の薄切りだけを味見していただきました。
ちょっとラーメンの上に乗ったチャーシューのような味がします。
美味しい、美味しい、とお二人。

その後はモンタルチーノへ車を走らせました。
先ずは、優さんがご希望されていたカンテイーナ、ビオンディ・サンティを訪問です。
土曜日でしたのでカンテイーナは訪問できませんでしたが、訪問を予約していましたのでお店だけは見せてくれました。
ただお店といっても、オフィスのようでワインは殆ど置いてなく、あるのはワインの料金表だけ。
チラッと見てみましたら、なんとお高いこと!
400ユーロ〜2000ユーロのものが揃っており、1本は4000ユーロを越すものまで。
建物の前で写真だけ撮って町へ帰ってきました。

さあちょうどお昼時。予約を入れていたレストランで昼食です。
ここもお気に入りのレストラン「Re di Macchia」。
ここは19ユーロでアンテイパスト、プリモ、セコンド、デザートが出るメニューがありとてもお得。勿論アラカルトあり。
食事はこの値段ではビックリするくらい美味しいくて、とても得をした気分になります。
ワインも13ユーロで、それぞれの食事に違った4種のワインが味わえます。

レストランにはご夫婦だと思うのですが、キッチンに女性が一人、サービスに男性が一人いるだけ。でも料理の味は最高で、サービスもなかなかです。
デザートなどは、クックである彼女が最高に楽しんで作っているのではないかと思うような、綺麗に飾りつけがされた一皿がでてきます。それが食事の最後に出てくると、皆、ウワーと歓声を上げるほどです。
このときに食べたパンナコッタが今まで食べた料理の中で一番美味しい、と由紀さん。
そしてこのデザートと一緒に飲んだデザートワイン、モスカデッロが又お二人のお気に入りになりました。
甘みを抑えた優しくて飲み安いデザートワインです。

御主人がお勘定を少し安くしてくれましたので、そのお礼にお二人がワイン色の日本の扇をプレゼントされたのですが、今度はそのお礼にと彼からお二人が気にいられたデザートワイン、モスカデッロのローゼ1本がプレゼントされ、お二人は大感激。
いやー、トスカーナ人は本当に親切で気前がいい。

さてこの後は、モンタルチーノの郊外でオルガニックのワインを造っているワイナリーへ行く用事があり、お二人にもご一緒に来ていただきました。
広々と広がる郊外の真っ只中の丘の上にその小さなワイナリーは建っており、そこからの360度の眺めは素晴らしい。遠くにワイナリー・バンフィのお城が見えます。
聞こえるのは鳥の声と風の音だけ。
「トスカーナ・カントリーハウス」という雑誌に入り込んだようです。
そこで100%のりんごジュースとワインをご馳走になり、そのお礼にお二人が奥さんに扇をプレゼントすると、そのお礼にと又またワインのお土産をいただいたお二人。心がホンワカ温かくなるひと時です。

ヴォルテーラで宿泊されていたアルベルゴには食事が美味しいことで有名なレストランがあり、そこで食べられたミネストローネも大変美味しかったそうです。
ここにはエノテカもあり、優さんはビオンディ・サンティ社のブルネッロの10年物をそれはお手ごろなお値段で購入。

さて、いよいよ最終日。
出発の飛行機が午後だということで、午前中はルッカへ行くことに。
いいお天気が続いており、由紀さんが、旅行に出てからまだ卵を一度も食べていないし、旬であるアーティーショックも食べる機会がなかった、とおっしゃるので、前夕、うちの鶏が産む卵を茹でて、それからちょうど家にあったアーティーショックをガーリックとオリーブオイルで炒めたものを用意して、ピクニックをすることにしました。

ルッカの町の中にある古代ローマ円形劇場跡のアンフィテアトロに入り、そこでパニーニを買い、長さ4.2
km、高さ12m、幅6〜7mあるどっしりとした壁の上でピックニックとなりました。
ちょうど日曜日といいお天気が重なり、たくさんの人達が繰り出していました。

このとき飲んだワインは、「チェンテイーネ・バンフィ」。
最後にジョン・クロードからお土産としてアンテイノリ社の「サンタ・クリステイーナ」のワインがお二人に。
このワインは7ユーロまでのワインの中でベストの賞を貰った美味しいワインとジョン・クロードが言っていた物で、優さんがぜひ購入して帰りたいといわれながらもその機会がなかったワインなのです。
やっと彼の手に入りました。

腹ごしらえに借り自転車で4.2kmの壁の上をぐるっと2周し、そしてとうとうお二人のエノガストロノミア巡りは終わりとなりました。

空港までお送りしてお別れをしました。
彼らが持ち帰ったワインは約15本。
試飲されたワインは約25種類。
トスカーナのワインと食事、満喫していただけましたでしょうか。

あっは、は、は、は・・、とそれは気持ちのいいおおらかな笑い声を立てて笑われるお二人。

機会がありましたら、又お目にかかりたいですね。