Kiyomi D.

ホーム     トスカーナ日記     プロファイル


旬な野菜と果物

frutta

日本は梅雨の真っ盛りのようですが、申し訳ないほどこちらはいいお天気が続いています。
真っ青な空が広がり、太陽の下に出ると暑いほどですが、いったん影に入ると湿気がないため吹く風はひんやりし、まるで冷房の入った部屋のよう。
夕方庭で食事をしているとカーデガンを着ないと風邪をひきそうなくらいです。
鳥はちゅんちゅんと一日中さえずり、優しい風が木々を揺らし、遠くまで見渡せるトスカーナの風景は静かに佇み、私の住んでいるこの郊外の家はまるで天国のようです。

毎週木曜日、私の町に朝市が出ます。ちょっと行って今旬な野菜や果物の写真を撮ってきました。
野菜の写真を撮っているのに、露天市場の人達が前でポーズを取るので仕方がなくスナップ。でも彼女達の笑顔がとても素敵!

やはり夏です。スイカが出ています。私も今年始めてスイカをこの日買いました。
初物ですから、まああまり期待しないほうがいいだろう、と思いながら買ったのですが・・・。
外でちょっと力仕事をして汗をかいてきたジョン・クロードに冷やしたスイカを切って出し、おいしいかと聞きましたら、ちょうど口いっぱいにほおばっていた彼は口が利けず、その代わり目を丸くして「む~、む~」と。
ふ~む、美味しそうだな、と私も食べてみましたが、その美味しかったこと!今年初めてのスイカは大当たりでした。

日本では贈呈用にしか買わないといわれるメロンもたくさん出ています。
1kgの料金が1ユーロ50セントですから、1個が1kgちょっと超えるほどのメロンは1個約1ユーロ70セントほど。

frutta

小粒ですが桃も安くなりました。
甘くてジューシーで美味しいです。
洋ナシはもうずいぶん長く朝市に出ており、料金は少し高くなりましたが、まだまだ美味しくて私が毎回買う果物のひとつです。
1kgが1ユーロ80セント。先月まで1ユーロ50セントでした。

トマトもだんだんと美味しくなってきました。
でもジョン・クロードは自分の畑のトマトが採れるまで食べないと言っています。彼が育てているのです。
インゲンも今が旬。これも私たちの畑でもうじき収穫があります。
今年畑に植えたのは、トマト、インゲン、ズッキーニ、キャベツ、ニンジン、ピーマン、キューリです。そしてパセリとバジリコも。

ちょっと野菜から話がそれますが、週1回オープンする朝市はこちら郊外に住む人達には格好の社交の場で、特に女性はそれは綺麗におしゃれをしてやってきます。
こちらに来た当時、綺麗にメーキャップをして正装した女性に挨拶をされ、一瞬誰だったのか分からなくて困ったものです。
ジョン・クロードが一緒にいるときは、よく「誰だっけ?」と聞いたものです。
だって、いつもは畑でノーメーキャップにエプロンをかけている女性が、急に目の上を青く塗り、唇も真っ赤、そして買ったばかりのような洋服に靴を履いているのですから、まだ顔を覚えたてだった人はまるっきり違う人に見えたのです。
やはり女性です。おしゃれは誰でも好きなのです。朝市でもおしゃれが出来る場があるということはいいことです。
露天市場だからとかなりラフな格好で行っていた私ですが、このごろは少しだけおしゃれをしていくようになりました。
だって、皆、履いている靴などをジロッと見るんですから・・。

frutta

私は料理をするときには必ずエプロンをします。
エプロンが大好きなのです。
いつからエプロン好きになったのか。
思えば32年ほど前、始めて料理学校に行ったときにしたのが最初だったように思います。
エプロンは義務づかれていたと思います。
それから何年か後に、ドイツやスイスにあるベジタリアンレストランでクックとして働いていたときに大きなエプロンをしていました。
ヨーロッパ人は体格がいいので、小さい私がこちらの人用のエプロンをすると、お尻まですっぽりと囲んでしまいました。
そんな大きなエプロンをした小さな私が、レストランのキッチンにある大きな鍋などをかき回したり、抱えあげたりして、結構タフに働いていました。 

一番のお気に入りのエプロンは、ブルジョワの避暑地で有名だったチンクエテッラに旅行したときに買ったエプロンで、白地のコットンの胸の所に鍋とトマトとパスタの模様が色とりどりに刺繍してあるものです。
値段は少し高かったのですが、まあチンクエテッラだしと思い、それ以上にその大きさと可愛い模様が気に入り購入しました。
でも使ってみると値段が高かった意味がよく分かりました。
コットンは厚みのある良質のもので、首にかけて後ろで結ぶと私の体にフィットします。洗えば洗うほど柔らかくなり、でも刺繍の色は抜けない。
何枚かあるエプロンを交代で使いますが、これの番になるといつも嬉しくなります。

frutta

次にお気に入りは、もうずいぶん古くなったのですが、ジョン・クロードからプレゼントしてもらったエプロンです。ブルーと格子の模様が半分づつ入っており、真ん中にはシャンペーンがポンポンとはじいている絵の付いたものです。古いので色がかなり落ちていますが、着ける度に彼からプレゼントしてもらったことを思い出し、素敵な気分になります。

もうひとつかなり大きめのエプロンがあります。
これはスイスの銀行を辞めるときに同僚がプレゼントしてくれたもののひとつで、真っ赤な地に白いエーデルワイスの花がいっぱい付いているものです。スイスの国旗を思い出させます。
このエプロンの生地もかなり厚く、一生使えそうです。使う度にスイスを思い出すことでしょう。
後数枚ありますが、こんな小さなエプロンにもそれぞれの思い出があり、使うたびにホンワカとその時の事が思い出され、炊事をするのが楽しくなります。

とにかくエプロンをするときゅっと身が引き締まるようで、どんな小さな料理にも気持ちがこもります。
朝食の小さなフルーツサラダを作るときでもエプロンをします。それにエプロンをしていると服が汚れません。
私は料理をするときに手を何度も洗いますが、濡れた手をサッと拭くのにもエプロンは便利。
実は、これは最近のことなのですが、風水の本で、エプロンを着けると料理が美味しくなると読んだことがあります。
本当かどうか分かりませんが、私のエプロン好きはずっと変わることはないでしょう。

frutta

frutta