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トスカーナ日記

5月23日

毎朝私は起きると先ずキッチンへ行き、白いドアを開けてベランダに出ます。
パーッと太陽の光が目の中に飛び込み、まだひんやりした新鮮な空気を感じると、ああ、今日もいいお天気!
青い空に少しだけ白い雲がかかり(これも日中になると真っ青に晴れ上がります)、鳥の歌声が(カッコーの声も)響いています。
1日の中で私が特に好きな時間帯です。
ドアを開けっ放しにして飼い猫のミコにエサをやったら、いつものようにリンゴとニンジンのジュース作りに取りかかります。
朝早くウィ〜ン、ウィ〜ンと言うジューサーの音がキッチンに響きます。
その後は蜂蜜入りの紅茶を飲んで、更にその後ブラックチョコレートを食べながらエスプレッソコーヒーを飲むのが一応我が家の朝の習慣となっています。
幸せな1日の始まりです。

トスカーナは5月晴れがずっと続いています。
例年通り平野にはポピーの花の赤いカーペットが広がり、そして蛍もここ数日前からふ〜わ、ふ〜わ、と飛び始めました。
お隣さんの大きなチェリーの木には実が赤く色づいています。
いよいよトスカーナが一番輝く季節になりました。
暑くもなく寒くもない丁度いい季候の、それは気持ちがいい時期です。

とそんな日の日曜日、昼食の後に海際を散歩しようとチェチナの海まで車を飛ばして驚いてしまいました。
なんとそこはすっかり夏の真っ盛りだったのです。
私の住んでいる郊外を出るときは涼しい風が吹いていてそれこそ良い気持ち程度の気温だったのに、海辺にはすっかり夏が来ていたとは・・。
ビーチではみんな水着姿で甲羅干しをしたりビーチボールを楽しんだり、勿論泳いでいる人もいます。
ビーチ前に並ぶジェラート屋には水着姿でジェラートを買いに来る親子や若い人で賑わっており、一瞬私は「デ・ジャ・ヴ」状態。
Tシャツとジーンズをはいている自分が暑苦しくてしょうがありませんでした。

水着の人に押されながらもそのジェラート屋で買ったのがペペロンチーノ入りのチョコレートジェラートです。
思いの外ぴりっと辛くて美味しくてこの日の収穫でした。
チョコにペペロンチーノ(唐辛子)が入ったチョコバーは去年くらいからお店などで見るようになっていて、レストランでもこの手のデザートを出すところを知っていますが、この日食べたものはかなり刺激がありました。
一口・二口食べて「ハー、ハー」です。
その内唇までぴりぴりしてきて、全部食べられるかなと一瞬心配しましたがちゃんと最後まで食べられました。
ヨーグルトジェラートを同じコーンに入れてもらっていて、それで口の中を緩和出来た(インド料理と同じ感覚)のが良かったのですが、でも甘苦いチョコレートにペペロンチーノの辛さはちょっとこれから癖になりそうです。

それにしてもビーチに腰掛け海を眺めながら食べるジェラートってなんて美味しいのでしょう。
あ〜ぁ、夏もいいなぁ!
又今年も私は黒く焼けるのでしょう。
シミが又増えるでしょうけど、気にしない。
今更シミの心配をしても遅すぎますから、もう思いっきり焼けるしかないです。
ちなみにイタリア人は若い人からお年寄りまで肌を焼くのが大好き。
初夏になってもまだ白い肌でいる人は自分を恥ずかしがります。
日本で騒がれる美白とまったく反対なのが面白ところです。
5月晴れが大好きなのに海に行くことを考えるとワクワクしてくる私がいます。

海の音を聞きながら潮風に身を任せてボーっとするのは心身に非常に良いようです。
ジェラートを食べた後は近くの自然保護になっている松林を散歩しましたが、この松林は何十キロも続くビーチに沿って続いており、散歩やジョギングが出来るように自然の道が作られています。
日曜日でも人は少なく静かな散歩道となっています。
道は松の落ち葉が重なって出来ているので柔らかく、背の高い松は海からの風を防ぎ、暑い太陽の光を遮ります。
影になった松林は驚くほど涼しくて、それこそ癒しの散歩道です。
その散歩道をちょっとそれて海辺に進むと向こうにキラキラと光る海が見えてきます。
ジーンズを膝までたくし上げて水際を歩きました。
急に足首までやってくる波と戯れたり、面白い形や模様の丸くなった石を捜したり・・・。
砂浜に座って目をつむると、ザッバーン、シュルシュルシュル・・・、ザッバーン、シュルシュルシュル・・・と繰り返す波の音が大きく聞こえ、潮風が髪を揺らして額に太陽の熱を感じます。
何にも考えず、お母さんのお腹の中へ戻ったようにただひたすらリラックス。
ふうう〜〜、至福のひとときです。