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友達S

私がブログに乗せている物語「あなたの人生を生きる勇気」。今週末は、オーストラリアのバイロンベイを訪ねた時のことが書かれています。
1990年の春にオーストラリアへ出発し、途中、私たちがオーストラリアへ行くきっかけを作ってくれた友達Sが住んでいるオーストラリアのバイロンベイに寄った時の話です。
先月の3月15日土曜日、私はちょうどこのあたりをブログに載せる為に、読み直し、書き直しをしていました。
友達Sの家はユーカリの林の中にあり、「いろんな動物がいるんだよ」と彼が教えてくれたこと。沢山の友達を読んでパーティーを開いた時、Sはたき火の側でギターを弾いていたこと。目がギョロットした少年のような愛嬌のある顔にいつも笑顔を浮かべて優しい人だったこと。
おとなしいけど面白い人だったなぁ、こういうこともあったなぁ、と私は自分で書いた文章を読みながらあの時のことを思い出していました。
オーストラリアで別れた後、友達Sとは一度インドで再会しています。
ギターを抱えた彼と偶然出会い、
「ある所からギターを弾いてほしいと頼まれたんだ」
と音楽が好きな彼は嬉しそうに言っていました。
それからSとはコンタクトもなく、土曜日に思い出すまでは、私は彼のことをすっかり忘れていたのです。

「友達Sが土曜日に事故で亡くなったらしいよ」、と私がジョン・クロードから教えられたのは、翌日の日曜日の朝でした。
ジョン・クロードは別の友達から短いメールを受け取ったそうです。
何十年ぶりかに彼のことを思い出していた翌日に、このニュース。あまりの偶然に私は言葉がありませんでした。
その上、彼が亡くなったのは、ちょうど私が彼のことを思い出していた日と同じ日の土曜日だったとか。
私がジョン・クロードにこのことを伝えると、「君は時々そう言うことがあるよね」と言っていましたが、なんだか言葉にできない不思議な縁を感じました。

友達Sは事故で亡くなったとしか情報がなかったので、私とジョン・クロードはオーストラリアのローカル新聞をネットで探してみました。ひょっとしたら友達の事故のことが乗っているかもしれないと思ったのです。
そして見つけました。それは土曜日の早朝の事故でした。
19歳の男性が乗る車がバウンドし、反対車線にはみ出したところで、友達Sの車と衝突したようです。19歳の乗った車はかなりスピードが出ていたようで、ネットに載っていた写真では、車の前部が完全につぶれていました。
19歳の男性と友達Sはその場で即死だったそうです。
友達Sはリムジンの運転手をしており、事故にあったときは後部座席に30代の客が乗っていたそうですが、幸いにその男性は怪我だけで済んでいます。
このニュースを聞いた後、私は1週間ほど妙な気持ちでいました。
この偶然は私に何を教えようとしているのだろうか、そんなことを思い煩いながら過ごした1週間でした。
3週間後の今、私はすっかり平常に戻り、友達Sのことも忘れていましたが(ごめん)、人生、いつお迎えが来るか分からない、生きている今を楽しく過ごそう、改めてそう思いながら過ごしている毎日です。

トスカーナ、今日と明日は雨模様ですが、日曜日から一気に春になるようです。天気予報を見てみると、日曜日から太陽のマークが続き、気温は25度近くまで上昇すると出ています。
皆さま、春です、陽気に過ごしましょう!