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トスカーナ日記

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月19日

先ず最初に謝らなければいけません。
又先週の「トスカーナ日記」が抜けてしまいました。ごめんなさい。
どうもガイドのお仕事が入っている時は、なかなか日記が更新できません。

という事で先週は今年の3月にリタイアーされたご主人とその奥様のガイドをしておりました。お二人はトスカーナだけではなく、その後イタリア全土を回り、そしてスイスに入るという約2ヶ月の旅をされるのです。ご主人が旅行の全てをインターネット上で手配されたそうです。ホテルの手配、列車の手配、とにかく全て。

先ず最初の週は私達と一緒に、イタリアに馴染まれる事から始められました。はっきり言いまして、イタリア語は勿論、英語もわずかにお話されるだけですが、でも奥様とご一緒に二ヶ月もの始めての海外旅行に出かけられるという大きな冒険心に感心させられました。今までは仕事と家庭があり出来なかったことを、今始められたわけです。年なんて関係ありません、自分の夢に向かっての冒険心があるかどうか、それが肝心なのです。
という事で、イタリア語の挨拶からはじまり、スーパーマーケットでの買い物のしかた、ユーロの使い方、お釣りのもらい方、レストランでの支払い方、等など私達とご一緒に経験していただきました。その後の1週間は、お二人はアグリツーリズモに滞在されていましたので、レンタカーを借りられて、お二人だけでお買い物に行かれたり、写生に行かれたり、又古いトスカーナの町を訪ねられたりと楽しい日々を過ごされたようです。いらっしゃった時よりはお二人とも少し陽に焼け、たくましくなられたようです。そして、今日ヴェニスへと列車で発たれて行かれました。お別れの時は又私は奥様と一緒に泣いてしまいましたが、どうかこれからも楽しい旅を続けられます様に願っております。

そして来週いらっしゃるのは6名の画家達で、彼等との最初のコンタクトは去年の7月でした。あれから10ヶ月。いよいよ来週皆様にお会いできるわけです。長かったような、短かったような。長い間文通していたお友達とやっと会えるような気分で、ワクワクしています。真っ赤なポピーが野原一杯に広がり、赤い生地を切り取って、丘の上にふわっと置いたような感じです。きっと皆様のよい画題になることでしょう。

 


日本は既に梅雨に入ったようですが、こちらはいよいよ初夏です。
と言うか、気温が急に上がり、初夏というより夏のよう。TVでも夏の気候到来、なんて報道していました。試しに日向の中に温度計を置いて見ましたら、35度になっていました。暑いわけです。でも日陰や家の中に入るとまだまだひんやりするのが、こちらのいいところです。日本のように湿気がないので、夏でも日陰に入り風があると、涼しいのです。

ただ、今問題になっているのが、南イタリアの水不足です。北イタリアでは雨が降りすぎて、水路や湖が氾濫し、住居の中まで浸水していると言うのに、南イタリアではもう1週間ほど水不足が続いています。パン屋などはミネラルウオーターでパンを作っているなんてTVで言っていました。とにかく給水車で市民に水を運んでいるという状態になり、市民は「税金を払っているのに、5日間も水不足の状態でほっとくなんて許せない!」と騒ぎだし、とうとう警官ともみ合うと言う騒ぎにまでなりました。でも怒るのも当たり前ですよね。毎年毎年、同じ事が起こるわけです。北イタリアでは毎年雨が降りすぎて、川や湖が氾濫します。南では水不足。何とかできないのでしょうかね。水の多すぎるところから水不足の方へ大きなパイプで水を運ぶようにするとか、何か…。毎年被害をこうむるのは市民です。

幸いにトスカーナは、心配されていた水不足も5月の始めの雨で心配しなくてもいい様で、嬉しい限りです。治安もいいし、太陽も一杯、風景は心和ませてくれるし、ああ、トスカーナはいいところです。

ところで今こちらではナイチンゲールが聞けます。夕方暗くなると殆どの鳥は巣に帰り、静かに寝てしまうのですが、この頃からナイチンゲールが素晴らしい歌声を響き渡らせます。私の家の周りには殆ど家がなく、道路も走っていないので、夕方になるとそれは静かになります。1日中ピチ、ピチ、チュン、チュン、とやっているスズメ達も寝てしまいまったくの静寂の中で、ナイチンゲールが歌い始めます。それも歌がいつも変わるのです。ただのチュン、チュン、だけではなく、ピピピーピ、ピュ〜ゥ、ピュ〜ゥ、ピュ〜ルルルルー、ピ〜イ、ピ〜イ、ルルルルル〜ゥ、と、活字ではまったく表現できませんが、それは素晴らしい歌声です。寝室の窓を空けて、ベッドの中でその歌声を聞きながら眠ってしまいます。なんと贅沢なんでしょう。
でも、どうしてこの鳥は夜鳴くようになったのでしょうね。他の鳥が寝てしまう時にこの鳥はコンサートを始めるわけです。自然って本当に不思議ですね。