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トスカーナ日記

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12月15日

今週は大変面白い経験をしてきました。

大家さんちの従弟のセルジョは私達の家から町までの丁度半分くらいの距離の所に、奥さんと一人息子と住んでいます。彼の本職は道路工事に関する会社の会社員なのですが、暇さえあれば、最近買った小さな土地に葡萄畑を作ったり、その横に小さいけれど石造りの可愛い家を作ったりと、とにかくなんでも自分で作ってしまう器用な人なのです。

大家さんちの200本はあるオリーブの畑も彼が全部面倒を見ており、オリーブの実を取るのは勿論、それをフラントイオ
(製油所)に持って行きオイルを作ってもらうところまでしてしまいます。その代わりオイルの半分は彼のものとなります。他のオリーブ畑の面倒も見ているようで、いつ時間があるのだろうと思うほど、いろんな事をしてる人なのです。そしてとても愛嬌があり、親切なひとです。

その彼が、木曜日に自分のところで飼っている豚を殺すから見に来ないかと誘ってくれました。勿論殺すという事は、そこからプロシュートやサラミが生まれるわけです。彼の所では毎年豚を二匹飼い、1年に2回、クリスマス前後にこの「豚のお祭り」が行われるとか。こんな経験はめったに出来るものではありませんので、主人も私も即、「勿論おじゃまします!」と答えていました。

さて、木曜日の昼食はスイス人の友達の所に呼ばれていたので、午後の4時近くまでお話をしていて、セルジョの所に到着したのが4時過ぎでした。

彼は弟が1人いますが、奥さんが
3人姉妹なので、その妹達、そのご主人達、その子供、そしてその孫、とまあ既に沢山の人達が集まっていました。


遅く到着した為、殺す所は見れませんでしたが
(正直言って、私は見たくなかったので良かったのですが)、殺す時に使うピストルを見せてくれました。私の片手ではきっと重くて持てないだろうと思うようなピストルで、そこに小さな弾をいれるのです。こんなもので直ぐ死ぬのかな、と思っていると、なんとその弾が破裂した衝撃で、銃口の所から長さ約78cmの鉄の棒が突き出るのです。それが眉間に命中して、豚は即死だそうです。昔は長い編み棒のようなものを心臓に突き刺して殺したそうですが、その方法だと死ぬのに1時間もかかったそうで、豚も人間もかなり大変だったようです。

という事で、私達がセルジョの家に到着した時は、重さ205kgの豚が、毛も綺麗に掃除されて、真っ白な身体で吊り下げられていました。丁度内蔵が取り除かれた時でもあり、医者が来ていて、心臓や血などの検査をしていました。

これから
1年間は食べる事になる肉が健康であるかどうか、必ず医者にチェックしてもらうのだそうです。


豚は捨てる所がないといわれるほどで、肉は勿論、腹などに溜まった脂身も昔は靴を雨から守る為にクリームとして使ったそうで、今回も捨てることなく、吊るしてとっておくといっていました。血も必ずとっておき、内臓、足、尻尾、耳などを煮たものと一緒に混ぜて作るソーセージ「ボリスト」又はトスカーナ語で「マッレガート」を作ります。

私と主人は過去20年以上はベジタリアンだったので、このような大きな豚がぶら下がった光景を近くで見ても大丈夫かなあ、ショックはないかなあ、と思っていましたが、豚が実に綺麗なので、殆どショックはありませんでした。

さあ、そんな私達の前でセルジョが義弟と一緒に豚を半分に切り始めました。それでもなんと言うか、手際が良くて、血も出ないので、見ていてもまったく気持ちが悪くなるということはありませんでした。

それにこの豚には餌として、小麦粉、麦の皮、ドングリの実又はクリの実、そして雑草だけをやっているそうで、それだけでもこの豚の肉が綺麗な事がわかります。マーケットで売っている肉などは化学製品を食べさせられたり、又は太る為に注射をされたりと、いろいろ問題になっていますが、セルジョの豚のように飼われたものだったら、本当に安心です。

この日はここまでが一仕事だそうで、続きは土曜日の早朝からということになりました。
土曜日はいよいよこの1匹の豚から、プロシュート、ソーセージ、サラミ、ビステッカ、フィレット、パンチェッタ、カッポコッロ、ボリストなどが作られるのです。

私と主人は一生懸命、写真とノートを取ってきましたので、トスカーナ人がどんな風にトスカーナ名物を作り上げるのか、是非、来週続いてご紹介したいと思いますので、どうぞお楽しみに!

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 先週の日記で、ワインの地として有名なカスタニエット・カルデゥッチにある美味しいレストランに日曜日に行く予定だから、この日ははずしたと書きましたが、はい、その後ちゃんと友達と行ってきました。

その名は「
Il Vecchio Frantoio・イル・ヴェッキオ・フラントイオ」です。
レストランは丁度横穴を堀り、中をレンガで綺麗に装飾した感じで、とても温かみのある、そして落着いた雰囲気のレストランです。入った途端、ちょっと薄暗いかなー、と始めは感じますが、そのうちに目も慣れて来て丁度良い具合です。


さあ、そこで私が見つけたものが良かったのです。

その日はとても野菜が食べたくて、何かないかなあと探していた私の目に入ったのが、「
Antipasto verdura mista ・ミックス野菜のアンテイパスト」です。
早速これを頼むことにしたのですが、まあせいぜい野菜のオイル漬けとグリルのミックスが出てくるのかなあ、位にしか思っていなかったのですが、まあ、出てきたお皿を見てびっくりです。

色とりどりの野菜が、各種の料理方法で、お皿一杯に出てきたのです。スペインのオムレツ風の一切れ、青菜のキッシュ風一切れ
(これがジューシーでとても美味しかったのです)、フェンネルの煮たものの上にチーズソースかけ、ズッキーニと茄子のグリル、ブルスケッタ2種、そして後何か。
目にみて良し、食べて良しで、一緒にいた友達も、次回は絶対これを注文するわ、と決めていました。

旅行をしていると、つい野菜不足になってしまうものです。そんな時に最高の一品です。


このレストランは夏にはピッツエリーアも開くようで、海を眺めるテラスでの食事はそれは美味しい事でしょう。
こちらへいらっしゃった方、是非ご案内致しましょう。