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バルセロナ

暖かい秋の日が続いているカルカソンヌです。
北ヨーロッパのスイスやドイツのミュンヘンに住んでいる友達からも、暖かいとメールが届いています。
そんな先週のある日、私とジョン・クロードは、スペインのバルセロナに行ってきました。
実は、10月にジョン・クロードが60歳になり、電車の切符を買う時に使えるシニアカードを購入できるようになったのです。
シニアカードがあると、電車賃が半額とまではいきませんが、かなりの割引になります。電車で行くほうが早く、スムーズに、そして楽に到着できる街がフランスにはたくさんありますから、早速このシニアカードを利用することにしました。
そして、最初のシニアカードで行く街を、カルカソンヌから近く、気候も良い、そして二人ともまだ行ったことがなかったバルセロナに決めました。

カルカソンヌの駅に行き、まずシニアカードを購入し(1年間有効)、そしてバルセロナ行きの切符を2泊3日で購入すると、窓口の女性に
「たった2泊3日でバルセロナに行くの?私は8日間滞在したけど、それでも全然足らなかったわよ」
と言われてしまいました。
まぁ、今回は下見ということで、気にいれば、また行けばいいのです。

久しぶりの電車旅行は、エンジンの検査で3回も停車し、挙げ句の果てには、乗客全員が別の電車に乗り換えさせられるという最悪な(?)状況を経験することになってしまいましたが、まぁ、最初にこれだけ経験していれば、後々の電車旅行は楽だろうと気楽に構えて、私たちは1時間半遅れでバルセロナに到着しました。
気候がいいとは聞いていたバルセロナは、初夏のような暖かさでした。
ジャケットを腕に抱えて半袖のティーシャツで歩いている人がたくさんいます。
私たちは、黒と黄色のバルセロナ正規のタクシーに乗り込み、カタルーニャ広場の近くで、幅広いグラシア通りに面しているホテル「H1898」に到着しました。
荷物を置いてグラシア通りに出てみると、道の真ん中に作られた土産物屋が並ぶ歩道には、そぞろ歩く旅行者がいっぱい。バルセロナにはローシーズンなどないようです。
ホテルの人に教えてもらったタパスのお店「2254」で昼食を済ませた私たちも、旅行者に混じってぞろぞろとグラシア通りを歩いてみました。
まもなく新鮮な食材を売る大きな市場ボケリア市場を見つけて、そこでパパイアとマンゴのジュースを飲んでみました。果物屋さんが作っているジュースなので、果物の味がそのままする、本当に美味しいジュースでした。
夜になり、「サグラダ・ファミリア教会に行くのなら、必ず前日に入場券の予約を済ませるように」とホテルのチェックイン時に言われたことを思い出し、iPadで購入。
私たちは、ホテルに設備されているプリンターで入場券をプリントアウトしましたが、教会の入り口では、そのまま予約を済ませたiPadやスマートフォンを見せている人もいました。
教会の塔にも登れますが、その切符も前もって購入しておいた方がいいようです。とにかく、教会の前には旅行者が溢れております。

さて翌日、私たちはまた黄色と黒のタクシーに乗り、サグラダ・ファミリア教会へ向かいました。地下鉄もあります。
1882年に着工された、ガウディ設計・建築の教会は、まず外見の大きさと形にびっくりさせられ、そして中に入って、さらにびっくりさせられました。
私はトスカーナで幾つもの教会を見ていますが、「サグラダ・ファミリア」は、今まで見てきた教会とは違った雰囲気があります。厳粛な教会というよりは、ガウディの芸術の塊です。
天井や壁が柔らかい線と面で作られ、そこにたくさんの素晴らしいステンドグラスが太陽の光を通してカラフルな色を投影しています。
今までの教会のイメージを、ひっくり返します。こんな奇抜なアイデアを持った人がいたのだと驚くばかり。
残念だったのは、教会にいる間じゅう、工事の音がしていること。ギーン、ギーンとメタルを切る音やハンマーを叩き下ろす音がいつも響き渡っています。まぁ、建設中なので仕方がないことですが、この工事が終わったらどんな教会になるのだろうと、ふっと思ったのでした。

バルセロナ訪問最後の日、私たちは市内観光バスに乗ることにしました。
あの2階建てで、2階の屋根が取り払われているバスです。
これが良かったのです。
バルセロナへ行こうかな、と思っている方、初日に、まずはこの市内観光バスに乗られることをお勧めします。
赤いラインと青いラインがあり、赤ラインはバルセロナ中心から海際を回り、青ラインはバルセロナ中心から山側を回ります。
このバスに乗るだけで、バルセロナの有名な建築物がどこにあるのか予想がつき、訪問の計画が立てやすくなります。
私たちは時間がなくて赤ラインだけを回りましたが、それでも、山側にあるオリンピック競技場やミロ美術館など(もちろん外側から)も見ることができました。
港にも行きました。美味しい魚介類のレストランが並んでいる場所もバスガイドから教えてもらいましたので、次回は是非行ってみたいと思います。
バスの料金は、一人1日27ユーロ。赤ラインにも青ラインにも乗り放題。好きなところで降りて、好きなところで乗ることができます。
バスに乗ると、新しいイヤホンをくれますので、座席の前にある16カ国の言語から好きな言葉を選んで、ガイドを聞くことができます。
バルセロナ到着一番にバスに乗れば良かったなと、私たちが思ったのは言うまでもありません。
バスの観光が終わり、ホテルで荷物を受け取った私たちは、再び赤ラインのバスを利用して駅まで行きました。
帰りの電車は、スムーズにかつ時刻通り、カルカソンヌの駅に到着しました。

最後に、バルセロナの駅が、空港のようだったことも付け加えておきます。
バルセロナの駅では、勝手に一人でホームまで歩いていくことはできません。
空港とほとんど同じで、まず、チケットのチェックがあり、その後、荷物をX線でチェックします。
それから、一旦待合室で、電車の乗車時間になるまで待ちます。空港と同じ雰囲気です。
乗車15分ほど前になると、さらにチケットのチェックがあり、階下にあるホームまで歩いていきます。
ホームではスチュワーデスのような女性や男性たちが乗客を待っており、私たちのチケットを見て、それぞれ乗るべきワゴンを教えてくれます。
このようなチェックがあるのは、インターナショナルの電車だけかも知れませんが、色々怖いことが起きている昨今。駅でも、ここまで安全対策がされていると、安心します。
こうしたことも含めて、芸術が溢れる街、エネルギーを感じる街、清潔な街のバルセロナがすっかり気に入った私とジョン・クロードです。
また是非訪問したいと思います。次回はフラメンコが見たいなぁ。

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新鮮な食材が詰まったボケリア市場。中はものすごい人です。

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ボケリア市場の中の果物屋さんで売っているフルーツジュース。

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ボケリア市場の果物屋さん。右手前には柿もあります。

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サグラダ・ファミリアの正面。左端の白い建物が新しく建築された部分。

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裏手から見たところ。本当に建設中です。2026年に完成予定だそうですが、完成すると、高さはこの2倍になるようです!

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教会の内部。太陽がステンドグラスを通して、灰色の天井を素晴らしい色に塗り替えています。グリーンから赤になるこの色具合、ガウディの芸術です。

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内部の柱にまで、ステンドグラスの色が映ります。

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サグラダ・ファミリア教会に入ってすぐの天井。

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天井の模様。その周りの飾りも、ため息が出るものばかり。

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市内観光バスの2階。

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観光バスから見たガウディ建築の「カサ・ミラ」。ガウディは、直線よりも曲線を好んだようです。

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旧市街のゴシック地区で見つけた劇場。フラメンコなどもやっているよう。

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バルセロナの駅。手前に止まっているのが黄色と黒のバルセロナ正規のタクシー。