ホーム     フランス便り     プロファイル


カルカソンヌで日本映画

私が住む小さな街のカルカソンヌには映画館が2件あります。1件は、街から少し離れた郊外にある大型ショッピングセンターが並ぶ場所にあるもの。6つの映画が同時に放映される大きな映画館で、駐車場も広く、比較的新しい映画館です。
素晴らしいのですが、残念なことに全ての映画がフランス語に吹き替えられていて残念。 アメリカの俳優やイタリアの俳優たちがフランス語を話しているなんて、画面との雰囲気ともまったく合わないし、それにちゃんと翻訳していないのが一番ダメなところで、私は観たくない。
なので、私はこの映画館にほとんど行ったことがありません。一度だけ、好きなフランス映画を上映していたので観に行ったことがありますが、それだけ。本当に残念、大きな映画館なのに。

二つ目の映画館は、カルカソンヌ駅からほど近い、いえば駅前通りと言うのでしょうか、メイン通りの真ん前にあります。
小さくて古いこの映画館は、それでも3つの映画が同時放映されるほどの広さを持つ、ちゃんとした映画館です。ただ、それぞれの映画室が小さくて、座席はかなりボロボロ。いつかは張り替える気持ちがあるのだろうかと思うほど古いのが難。
きっと、この映画館を修理するよりも郊外に新しく大きな映画館を作った方が簡単だったのでしょう。
ただ、この古くて小さな映画館、我が家から歩いて5分もあれば到着するのですが、素晴らしいのは、ここで上映される映画が全てオリジナル版なのです。フランス以外の外国映画は、画面の下に字幕で出ます。
こんな古い小さな映画館でオリジナル版の映画が見られるなんて、最初は信じられませんでした。

ある日、私とジョン・クロードが近くのオーガニック店に買い物に行った時、レジにいた女性から、「日本の映画、見に行きました?」と訊かれました。
日本の映画なんてカルカソンヌで観られるとは思っていなかった私たちは、どこかで上映しているのですか?と訊いてみると、なんとあの古い小さな映画館で上映しているというのです。このレジの女性も、映画はオリジナル語でないと観ないとか。
興味が湧いて早速映画館に行ってみると、その時上映されていたのは「海街diary」でした!
もちろん、早速、観に行きました。そして、それはとっても素敵な映画でした。私だけではなくジョン・クロードも気に入った様子。
日本らしさが出て、優しい映画。私はこういう映画が大好き。

それからは、時々この映画館で上映している作品をチェックしていたのですが、そんな時、パリ在住のフランス人の女友達が「とっても心にしみるいい日本映画を観たのよ。絶対お勧めだからカルカソンヌにきたら是非観に行って」というので、調べてみたら「あん」という映画でした。
それから1~2週間後、カルカソンヌの古い映画館に来た時は、すぐに観に行きました。良かったです。私、樹木希林さん、大好きなのです。
そして、先週のこと、この映画館の上映作品を見ていたら、「君の名は。」という映画を上映していることを知りました。
この映画は日本ではとてもヒットしたらしいことをネットのニュースで知っていて、でも外国にいる私は絶対に見るチャンスはないだろうと思っていたので、早速ジョン・クロードと一緒に観に行きました。
お昼2時の上映だったので、観客は私たちを入れて5人だけ!
感想はというと、映像は素晴らしいものでした。今はあんなにリアルに描けるのだなと感心しました。ただ、映画そのものは、あまり記憶に残らないというか、もう一度見たくなるほど感激はしませんでした。 あくまで私の感想です。

帰宅したその夜、口直しのつもりか、ディズニー配信のアニメを見ようとジョン・クロード言い出して、私は、またアニメ?と思いましたが、まっ、いいかと見始めることに。
映画の題名は「Kubo」。日本映画かどうかはわかりませんでしたが、画面は完全に日本スタイル、でも言葉は英語。
見始めると、これが面白かったのです。人の動きがスムーズ、スピード感あり、優しさあり、アクションあり、サスペンスありで、さすがアメリカ映画。もう本当に楽しめました。さすが、ディズニーさんです。

1月25日には、あの古い映画館にミュージカルコメディー「ラ・ラ・ランド」が来ることになっています。観に行きます。楽しみ!

みなさま、今日も素敵な1日をお過ごしください。