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2月中旬のピレネー山脈

パリ2

前回はパリ・オペラ座のことだけで終わってしまったカルカソンヌ便りなので、今日は、パリ市内のことをお知らせします。

今回、私たちがパリへ行った目的はオペラ座でバレーを見ることだったので、ホテルはオペラ座のすぐ後方にあるHotel Scribe Paris Opera by Sofitelにしました。
ここからオペラ座まで歩いて2~3分ほど。有名なデパート「ラファイエット」も、前回見つけられなかった「ユニクロ」もすぐ目の前です。
大通りから一筋中に入っているので、車の通りも少なく静かです。
私たちは、この周りを中心に歩き、それからオペラ座通りにある日本の本屋さん「ジュンク堂」と日本食品店を訪ねました。

パリ市内は以前と変わりなく華やかで忙しい雰囲気でしたが、どこのお店に入っても入り口にガードマンがいるのには驚きました。
「ラファイエット」のような大きなデパートはもちろん、ユニクロを含めほとんど全てのブテッィクの入り口に、レストランの入り口に、カフェの入り口にガードマンが立っていて、入ってくる客のバッグの中をチェックします。
パリテロ事件があった後、警戒が激しくなったようです。
私たちがオペラ・ガルニエ正面にある大通りを歩いていたところ、大きなカフェが見えてきました。創業1862年、フランス文化財にも登録されているカフェ・ド・ラ・ペです。ちょうどコーヒーが飲みたかった私たちは、大通りに面してある大きなガラス張りのドアから入ろうとドアを押してみたのですが、開かず。あれっ?と思いながら、別のドアを押してみるもダメ。結局4つあるドアの全てが閉まっていました。中では客たちがコーヒーを飲んでいるのです。
どこから入っていいのかわからない私たちは、別のカフェに行こうと歩いていると、左に曲がったところにレストランの入り口がありました。
レストランとしか書いていないので、入り口で、コーヒーを飲みたいのだけど、と言ってみると、(親切に)入り口でバッグの中をチェックされ、それから通りから見えた席に案内されました。
私たちがコーヒーを飲んでいる間も、たくさんの人が通りに面した入り口から入ろうとして入れないでいました。
後でわかったことですが、目の行き届かない通りから誰かが勝手に入って爆弾の入ったバッグなどを置かないようにとの策だったようです。
デパート「ラファイエット」でも、メイン以外の幾つかの入り口が塞がれていました。
昔の平和なパリの姿は変化しつつありますが、こういう警戒があるからこそ、旅行者も安心してパリを楽しめます。
実際、パリ市民はたくましく生活しています。さっさと早足に歩くパリ人たちを見ていると、こちらも元気になります。

パリまで私たちは列車を利用しました。カルカソンヌからモンペリエまでインターシティー(特急列車)で行き、乗り換えてTGV(新幹線のような高速列車)でパリまで約6時間の旅です。
どちらも予約が必要で、座席指定ですが、ここでちょっとお知らせ。
自分の指定席へ行ってみると、他人が座っているということがフランスではよくあります。
列車に乗るとよく目にすることで、私たちも経験があります。
指定席を持っている人しか乗ってこられないファーストクラスでさえ、他人の席に座る人がたくさんいるのは、どうしてなのでしょう。
一人席を予約したけど、二人座席の方が荷物を置いたりコートを置いたりするのに便利だから、空いている二人座席に座った、という人。
自分の指定席より、こちらの方が眺めがいいので、こちらに座ったという人。
または、セコンドクラスの切符を持っているけど、ファーストクラスに座ってみたかったから、という人など、いろいろ。
もちろん、次の駅でその座席の人が乗ってくれば動きます。でも、その時、「ああ、ごめんなさい」とか「失礼しました」なんて言う人は、ほとんどいません。
席が空いているから座ったのであり、誰にも迷惑をかけていない、という考えなのでしょう、女性でも、男性でも、間違っていますよと指摘された人は、何も言わずにスーッと別の座席へ移っていきます。
列車でフランスを回ろうと思われている方、自分の指定席に誰かが座っていた時は、びっくりされないで、静かに、ここは私の席です、と伝えてください。そうすれば、すぐに動いてくれます。

それから、スーツケースなど、荷物を持って列車に乗る方にご注意。
列車の入り口近くに荷物置き場がありますが、そこに荷物を置かれた人は、一応、荷物に名札をつけるように義務付けられています。さらに、列車が動き始めるまで、荷物のそばから離れないようにしてください。
列車が動き始める直前、他人のスーツケースなどを持って逃げる人がいるからです。 荷物に目を離さないようにと列車内でアナウンスがありますが、すでに列車が動き始めた後だったりして、遅すぎますので、ご注意を。
ちなみに、私たちの荷物には名札が付いていませんでしたが、別に車掌に何か言われることはありませんでした。ただし、途中駅に到着するたびに、私たちは自分たちの荷物を見張っていました。
持ち主のわからない荷物がポツンと置かれている場合、持ち主がやってくるまで列車が動かない場合もあります。
荷物なしの短距離なら列車は便利ですが、スーツケースなどが必要になる長距離旅行の場合、列車は変に気疲れしてしまいました。
次回またパリに行くことがあれば、今度はパリ近郊まで車で行って、どこかの小さな町に滞在し、そこから列車で1日旅行としてパリに出かけるのがいいなと思っています。

boulangerie

プラス・ド・ラ・プブリックの近くにあるパン屋さん、デゥ・パン・エ・デジデ。材料のほとんどがオーガニックということで行ってみました。
元パン屋だったところに新しく開いたようで、写真を撮り忘れましたが、天井や壁などの内装は昔のままで、色華やかな模様が美しい。
http://dupainetdesidees.com/jp/fabrication.html

boulangerie

中は思ったよりも小さなお店ですが、美味しそうなパンがぎっしり並んでいます。パンの名札に、粉と卵とミルクはオーガニックと書かれています。バターも良質のよう。クロワッサンを食べてみましたが、イーストはできる限り少なく使っているそうで、中が少しもっちりしています。手前にあるのがショソン・ア・ラ・ポム・フレッシュ(日本語でアップルパイかな)で、りんごがクリームのようでした。

bar

パン屋から少し歩くと、プラス・ド・ラ・プブリックに出ました。テロ事件の後、たくさんの花束やメッセージが置かれた噴水があります。
そのすぐ近くにあったバーに入りました。入ってみて内装の豪華さにびっくり。ナポレオンの絵がたくさんあり、天井や壁の模様、シャンデリアが素晴らしい。
昔は貴族の住むお屋敷だったのではないでしょうか。このバーの前に出されたテラス席と同じようなテラス席がテロによって銃撃されたのですが、人々は恐れることなく、この日もたくさんの人が降り注ぐ太陽の光りをテラス席で楽しんでいました。

tgv

私たちが乗った列車TGVで出した瞬間時速300kmです。