Kiyomi D.

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花祭

fiori

5月は本当に素晴らしい月です。
真っ青な空にツバメが飛び交い、木々は若葉を風に踊らせ、平野は色とりどりの花で飾られています。
気温は暑くもなく寒くもなく。
朝夕はちょっぴりヒヤッとし、日中は初夏のように日差しが強い。
家のドアや窓は1日中開けっ放しで、これまた暑くもなく寒くもない空気が入れ換えに入ってくるので気持ちがいいったらありません。
真夏にちょっと涼しい避暑地へバケーションに来ている感じです。
毎日バケーションのような環境で生活していると、自分がいつも旅行者でいるような気持ちになり、これが又ワクワクさせられて好きなのです。

ドアを開けているのでキッチンの中にいながら家の前に広がる葡萄畑が眺められます。
半日かけて鉢に植えた花たちもベランダや階段で気持ちよさそうに陽を浴びています。
庭の鉢植えの花々も日増しに鮮やかな色を出し始めました。
あ~あ、なんていい季節なのでしょう!
街の人達もみんなこの時期が好きなのだと思います。
朝市などで、陽気な買い物客や売り手達が更に陽気になっていますから。

同じ5月でも毎年風景が違い、今年は菜の花に似た黄色い花が平野や丘に広がり始めました。
こんなに広がったのを実際に見たのは今年が初めてです。
そして真っ赤なポピーの花も例年より早く咲き始めました。
黄緑色の草の中で揺れているのを見るとドキッとします。
黄色い花の中にも混じって咲いている所は、まったく絵葉書です。

そんなある日、私はジェノヴァにある花祭りに行ってきました。
正式な名前は「エウロ・フローラ」、ヨーロッパ花祭り、というところでしょうか。
朝6時半の観光バスに乗り込み、途中3カ所で他の参加者を乗せるとそのままジェノヴァへまっしぐら。
高速で朝食ストップが一度あり、11時、とうとうジェノヴァへ到着しました。
大きな街です。
人と車が溢れていて綺麗な街と言う印象は余りありません。
建物は中世の立派なものなので少し残念なのです。
とにかくそこら中が渋滞で、花祭りの会場へ着くまでに随分とかかってしまいました。

会場も又ものすごい人でした。
聞くところによると、この花祭りは5年ごとに開かれるもので、世界中から美しい花が集まるのですが、それがたった2週間しかオープンしていないのです。
それはそうでしょう、生の花がそんなに何週間も持つはずがありません。
その為、この2週間に花好きな人達が一斉に集まってくるわけです。
人が多いのも当たり前です。
こんな人並みを見たのは久しぶり。
花の前は勿論、通路も人人で歩けないほど。
ランの花もバラの花も素晴らしかったのですが、日本の盆栽もこれまた素晴らしくて、沢山の人達が興味の目で眺めていました。
会場の中は4~5つのパビオンに分かれており、見るだけではなく買うことも出来ます。

きっと人が多くて食べ物も簡単に買えないだろうからサンドイッチを作っていこう、と友達が言ってくれたのですがそれが正解でした。
どこもかしこも人人人。
みんな芝生の縁に座り込んで昼食です。
食後のコーヒーを飲むのに長い時間並んでしまいました。
きっと私一人だったらさっさと帰っていたと思いますが、友達と来ていることですし、それにバスで来ているので一人で帰ることも出来ず、この日は腹をくくって(ちょっと大げさ)花を楽しむことにしました。
帰宅したのが夜11時過ぎ。
疲れましたが、たまにする友達との遠出、楽しかったです。

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