Kiyomi D.

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トリフュ祭り

tartufo bianco

北カリフォルニアにお住いで日本語ガイドをしていらっしゃる小林真奈美さんから数日前にニュースレターが届き、そこに、インディアン・サマーと言ってしまって良いのではと思うくらい、好天、高温の日が続いています、とありました。
正にトスカーナもその通り。
先週からずーっと夏のようなお天気が続いています。
先週の初めは高温にも風がありましたから、まあ秋にしては温かいな、くらいだったのですが、それから風がぴたりと止み、そうすると信じられないくらい暑くなってしまいました。
秋っぽい服装をしていたのに、又夏服に逆戻りです。
今私は半袖のTシャツにスカート、そしてサンダルを履いています。

先週の水曜日に用事のため海際の街へ行き、ついでに砂浜の直ぐ上に立っている魚介類で美味しいレストランで昼食を食べたのですが、ビーチには水着姿で陽を浴びている人がちらほら。
それだけではなく泳いでいる人もいてびっくりしました。
正真正銘のインディアン・サマーです。
まあ、それも数日で終わりかなと思っていましたが、今日も又素晴らしいお天気になっています。
家の窓やドアは開けっ放しです。
10月も終わりというのに・・・・?!
試しに昨年の日記を読み返してみましたら、やはり同じ時期に暑い日が戻ってきているようです。

さてここ数日あまりに温かいため、例年より早めにオリーブの収穫を始める人たちが出てきました。
私の大家さんちのオリーブは大家の従弟が世話をしているのですが、彼はいつものように11月まで待つのだと言っています。
待てば待つほどオリーブの実みから水分がなくなり、そしてオリーブオイルが沢山採れるのだそうです。
オーリオ・ヌオヴォ(新オリーブオイル)が食べられるのももうじきです。

秋と言えばポルチーニ茸とトリフュ。
今年は雨が少なくてポルチーニ茸の収穫が少なかったと聞きましたが、トリフュも同様、雨の降って欲しい時に降らず、降って欲しくない時に降ったため、今年の収穫は少ないそうです。
毎年この時期、隣町のヴォルテッラでトリフュ祭りが開かれますので、昨日海際に住んでいる友達を誘って行ってきました。

街には大きなテントが二つ作られ、その中にトスカーナ特産物を売っているお店がぎっしりと並んでいました。
トリフュを入れたペッコリーノチーズを筆頭に数十種類のチーズを売っている人、トリフュ入りのサラミやソーセージを売っている人、トリフュ味のオリーブオイルからオーリオ・ヌオヴォまで各種を売っている人、そんな間にトスカーナワインやお菓子、トリフュ味の蜂蜜、等も沢山並んでいて、ワクワクしてしまいます。
更に嬉しいのはその全ての味見ができることです。
テントの中をそぞろ歩きしながら、勧めてくれる品々を味見していると、それだけでお腹が一杯になりそうです。
私たちはこの後レストランでトリフュメニューを食べることにしていましたので、ここでお腹を満たしてはいけないと全ての品に手を出さないようにしていたのですが、見るもの全てが美味しそうで、味見をしないで通り過ぎることのなんと残念だったことか。

そんな中、私は未だ見たことがなかったものの味見をしてみました。
まず、クルミの木の葉で包んで熟成させたチーズ。
1年以上も熟成させたチーズですが、やはりクルミの葉の味がでているのでしょうか、とてもスペシャルでした。
次に、麦の藁や、草原の草をチーズの肌に塗りたくって熟成させたチーズ。
草原の草の付いたチーズの肌の部分は切り捨てずにそのまま口に入れるのですが、ぷ~んと夏の匂いが口に広がり、これまたスペシャルでした。

トリフュの味付きのバルサミコ酢クリーム、なんて言うものがあり、それにチーズなどをつけて食べるのですが、酸っぱさが飛んでいて甘みの広がるクリームはチーズだけではなく、肉や魚にもあうようです。
無花果とクルミの実を層にして、ぐっと圧縮して作った昔の保存食は、甘すぎずワインと良く合いそうです。
新オリーブオイルも出ていました。
写真を見てください、それは鮮やかなグリーン色をしています。

さてトリフュのお値段。
黒トリフュより白トリフュの方がお値段は高いのですが、今年のお値段は100gが200ユーロ(約3万円)前後だそうです。
誠に高級品であります。

二つのテントをぐるっと見て回った後は、ピサ県の料理コンテストで優勝したレストラン「デル・デュカ」に急ぎました。
トスカーナ特産物の味見で胃が刺激されて、みんなお腹がぺこぺこです。
土曜日の夕方ですから、路上には人が多くてなんだかお祭りのようでした。
レストランでは全てトリフュ三昧のメニューで、それは美味しく頂きました。
テーブルに運ばれてくるお皿からトリフュのいい匂いがぷーんとして、それだけでもう、くらくらしてしまいます。
一皿ずつの写真を撮ったのですが、フラッシュが強すぎたのか、写真は全て白く反射してしまい皆様にお見せすることが出来なくて残念です。
写真はいいから匂いだけでもお送りできたらいいのですが・・・。

レストランに8時頃に入り、レストランの奥さんやお嬢さん、そしてウエイター達と楽しくおしゃべりし、友達とも美味しいワインや食事を頂きながらワイワイ盛り上がり、さあ帰りましょうかと言い始めたのが夜中近く。
なんと4時間近くも楽しい時間を過ごしてしまいました。
こちらでは、「じゃあ帰りますから、ごちそうさまでした」と言って直ぐにレストランから出て行くイタリア人はいません。
「じゃあ、又」と言ってから本当にレストランを出るまで普通10分から20分はかかります。
奥さんがキッチンから出てくる、お嬢さんもやってくる、そして改めて食事が美味しかった、ワインがどうだった、今年のトリフュの収穫がどうだった、と話しだし、奥さんが来年はアメリカに旅行に行くのよと言い出し、お嬢さんはピサの大学の勉強が好きだという。
みんな立ったままそうやってしばらく話が進みます。
話しながら少しずつ足が、身体が出口の方に動いていきます。
そうしてやっと「じゃあ、おやすみなさい」で、外に出るのです。
時々、出口で話しが続くこともあり、なかなか帰れません。

昨晩のヴォルテッラは夜中だというのに全く寒くなく、土曜日でもあるので若者が沢山外に出ていて活気がありました。
私たちも友達もお腹は食事とワインで満たされて大変いい気分。
おしゃべりしながら少し離れた駐車場までのんびり歩いていきました。
見上げた夜空には星が一杯でした。

ps
昨晩、こちらは冬時間に変更となりました。
日がいよいよ短くなります。
それから、私とジョン・クロードは11月2日から約3週間トスカーナを留守にします。
皆様とは又12月にお会いしましょう。
素晴らしい秋をお楽しみください。

tartufo bianco

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