Kiyomi D.

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ジューンブライト

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トスカーナに夏がやってきました!
太陽の光で何もかもがきらきらと輝いて、きれい。
庭にはジャスミンの白い花、ハイビスカスの赤やオレンジ、ベゴニアの赤、ピンク、そしてジェラニウムのマゼンタ、フクシャ、白い花々が太陽の光の中で鮮やかに咲き乱れています。
そして気温の上昇と共に満開のジャスミンの花の匂いがそれは強く漂っています。
クラッと来そうです。

実は、今年は夏の到来が大変遅れました。
通常、5月中旬には初夏らしく暑くなり、半袖のTシャツを着たりするものですが、ことしは6月中旬まで雨の多い日が続き、5月15日で地熱発電所からの暖房が泊まった我が家では冬よりも寒く感じられて、私はもう少しで風邪を引きそうでした。
2日前にイタリアの気象庁から報告が出ていましたが、今年の雨の長さは200年ぶりだとか。
でもここ数日の気温は朝8時頃で28度、日中は33~35度と正に夏日。
雨を一杯受けた植物たちにこの太陽ですから、トロピカル気候のように花々の成長の著しいこと。

6月14日、天気予報では雨模様の出ている日に、イタリア人の友達が結婚式を挙げました。
いわゆるジューンブライトですね。
ヨーロッパでは6月も中旬になるとからっと晴れ渡り、雨の心配をする必要が無い為、結婚式を上げる人が沢山います(別の意味もありますが・・)。
私たちの友達もそれを見込んでの結婚式だったと思うのですが、彼らの場合、更にその日が彼女の誕生日でもあったのです。

雨の続く毎日で、私は結婚式の日まで毎日、何度と天気予報を見たことか。
そして見る度に「14日(結婚式の日)は午後から雨」と出ています。
午前中だけでも雨が降らなければ、教会での式が無事終わることが出来るのだけれど。
花嫁も私たち招待客(女性)も薄いドレスで震えることがないのだけれど。

と心配しながら迎えた14日、それは見事なほど晴れてくれました。
風が少々強かったものの、そのお陰で雨雲がどこかに吹き飛ばされたのでしょう、朝から太陽が輝いています。
私は花嫁のため、そして私のため(薄い絹の服を着ていました)にホッとしました。
ジョン・クロードは彼らのためにビデオを撮る役目を引き受けており、又彼もホッとしたようです。

結婚式が大嫌いというジョン・クロードなので、彼らの結婚式にも行かないと言い続けていたのですが、結婚する彼らが「アルバムはプロの写真家に頼んで作ってもらうけど、ビデオは高すぎて頼まなかった」というのを聞いて、最新のビデオカメラを購入したジョン・クロードは彼らのためにビデオ撮影を買って出たのです。

今回結婚した友達は、なんともう10年以上も一緒に住み、マンションも購入して夫婦同然のように暮らしています。
どうして又今更結婚?と訊いてみましたら、彼らが言うには「10年一緒に住んできて、これからもずっと一緒にやって行けると確信できたので結婚式を挙げることにした」とのこと。
偉い!
又、ずっと子供が出来なかった彼らは人工授精を受け、今彼女は妊娠中。
ダブルハッピーな二人です。

式は朝10時から始まりました、と言いたいところですが、花嫁がなかなか教会に到着せず、始まったのは35分が過ぎたころ。
新郎が一人でソワソワ待っているのを見た男友達は、「式を挙げる前に彼女に逃げられちゃったんじゃないの~」と冗談を言って笑わせていました。

いよいよ花嫁の到着。
彼女の父親は2年ほど前に亡くなったため、お兄さんと一緒にバージンロードを歩いてきます。
5m程のベールが後ろに長く続き、彼女はとても綺麗。
ちなみに、こちらの女性達は自分の着るウエディングドレスは購入してしまう人がほとんどです。
貸しドレスもありますが、一生に一度のことだからと両親の薦めもあり、購入するひとが多いとか。
結婚式の後はタンスの中に閉まったままになりますが、それも思いでの一つになるといいます。

結婚式は10時40分頃始まり、終わったのが13時近く。
クリスチャンではない私にはかなり長い式でした。
唯一良かったのが、合唱団の人たちで、その中でもタクトを振っていた中年女性が一人で歌った「アベマリア」。
失礼ながら、見た感じは全く普通のおばさんという風なのに、彼女の口から出てくる声は素晴らしいソプラノ。
最初、この声は録音されたものだと思って聴いていたのですが、よく見るとこの女性の口が唄にあわせて動いているではないですか。
よくよく見ていると、正にこの女性が歌っていたのです。
合奏団の人たちも彼女の声には驚いた風でした。

式が終わるとそれぞれ車を飛ばして海際にあるホテルに向かいました。
先ずは外のテラスでアペルティブ。
その後、中に入り昼食です。
パーティー会場では男女のシンガーが式の間中ずっと歌を歌っていました。
私は去年の末、幼なじみの次女の結婚式に出ましたが(日本です)、そこで見た結婚式とこちらの結婚式では随分様子が違います。
日本では結婚式中、何人もの人たちがメッセージを送ったりご挨拶をしたりしますが、こちらではそう言うことは全くなし。
もう食べるだけです。
新郎、新婦もちゃんと食べています。
一度だけ「新郎新婦に乾杯!」はしましたが、後はみんな好きなように食事の間に動き回り、話をし、ミュージックにあわせてダンスをしてワイワイと楽しみます。
日本でよくある新郎新婦、そしてご両親が泣くという事もありません。

私が新婦の所へ寄って行き、「お誕生日おめでとう!」と伝えたら、「清美、私、今日で40歳になるのよ!」とちょっとうらめしそうな顔をして見せましたが、いえいえ、歳なんて関係ありません、気持ちの持ちようです。
現に彼女は輝くばかりに美しい花嫁でした。

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