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ADSLのトラブル

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なんだかんだやっている間にオバマ氏の大統領就任式があり、スーパーボールを見ようと日にちまで確認していたのに見るのを忘れて、あれよ、あれよと言っている間に2月に入ってしまいました。

どんな風にあれよ、あれよとなっていたかと言いますと、1月17日からわが家のインターネットの接続が切れたり入ったりしていて、私は電話局に毎日電話をし、その度にトラブルの説明をし続けていたのですが、とうとう22日の午後から全く接続が出来なくなり、なんと2月3日までの12日間、まったくインターネットを使うことが出来なかったというトラブルに巻き込まれていたのです。

イタリアでは電話やネットで問題があると187番に電話をすることになっています。
問題、苦情相談窓口とでも言うのでしょうか、とにかく先ずはここへ電話をしなければ、と言うかここに電話をするしか解決方法がありません。
でも、この187番がやっかいなのです。
187番の窓口(電話を受ける人たちが居るところ)はイタリア中にあり、例えばトスカーナの郊外に住んでいる私がダイヤルしたものを、時にはシチリアの人が、時にはミラノの人が、またはローマの人が受け継いだりするわけです。
「ネットの接続が急に出来なくなったのだけど、私の町で工事でもやっているのですか?」という質問は全く無意味になります。

一生懸命こちらの問題を伝えていても、向こうにいる相手はほとんど上の空のようで、適当に答えて電話を切ってしまいます。
なので、187番は問題が解決するまで毎日、時には朝と夕方何度も電話をしなければこちらの問題解決のためには動いてくれません。
とにかく電話をする度に違う人が出るのですから、その度に、どうやってトラブルが起きたか最初から説明をしなければいけないのには閉口します。

でも、ネットの接続はPCを使う私には大事なものですから、私はめげずに毎日電話をしまくりました。
その度に、187番の人は「電話センターで問題が起こっている。今修理中だから、待つしかない」という同じ返事ばかり。
時には、「24時間後に治るから」または「48時間後に治る予定」とか、とにかく適当なことを言って、電話を終わろうとします。
最初は、そう言う言葉を信じていた私ですが、接続が4日も5日もないと落ち着かなくなりました。

とにかく、使えるだけのイタリア語を使って電話をしまくり、それでも誰も来てくれないので、近くの町に住んでいるPCにとても詳しい友達に来てもらったのですが、やはり接続が出来ない。
そうやっているときインドにいるジョン・クロードから電話があり、私はこのトラブルを伝えてしまいました。
私がPCの技術的なことはさっぱり分からないと分かっている彼は心配してしまい、それからは毎日電話をしてきて、電話を通じて二人でやれるだけのことをしてみましたが、それでも解決できない。
私はストレスで泣きそうでした。

そうして、とうとうジョン・クロードはインド滞在を予定よりも2週間早めて帰ってくる事になってしまいました。
せっかく素晴らしい経験を過ごしているのに、早めに帰ってきてもらうことはとても申し訳なかったのですが、彼の仕事に関しても早めに帰ることはいいことだからと言ってくれ、少しホッとした私です。

それでも彼が帰ってくるまで私は毎日187番に電話をしまくりました。
それに、近所の友達に聞いてみたところ、友達は全然問題なくインターネットを使っていると言うではないですか。
それじゃぁ、センターで問題が起こっていると言う返事はまともではないのです。
どうにかして、技術者をわが家に送ってもらわないと問題は解決しません。
とうとう、最後には「毎月ADSLサービスを支払っているのに10日以上も使えないし、私の仕事が出来ない為毎日損をしているし、主人はこの問題のためインド滞在を早めに切り上げ、その為月末まで支払っていたアパート代は無駄になるし、飛行機も別の便に切り替えるために余分なお金が必要だし、こういう支出はそちらで弁償してもらおうと考えているのだけど・・」と言ってみました。
実際には、そんなこと、とても面倒でしませんけどね。
そして、「弁償の件は主人が帰ってきてから交渉してもらうとして、今は、どうか技術者を私の所に送って下さい。お願いします!困っています」と頼み込みました。

それが効いたのでしょうか、次の日の早朝、電話局の若い技術者がわが家の前に到着していました。
こんな日に限って朝起きたのが少し遅く、まだパジャマ姿だった私は慌てました。
先ずはわが家の接続を調べて、更に私たちの友達とも電話で話をしてもらい、わが家には全く問題がないことを確認してもらった後、電話局の人は我が町にある電話センターに調べに行きました。
そうして10分後、センターから電話があり、「接続できるかどうか、見てて下さいねー」と言われ、わが家の場合、複数のPCに接続しているエアーポートについているオレンジの光を見ていましたら、数秒後パッと緑色(接続された意味)に変わりました。
「あーー、接続できましたーー!, ブラボー」と私は電話口で叫んでしまいました。
「ブラボー、ブラボー。コーヒーをご馳走するから、是非わが家に戻ってきて下さいよ」と言うと、最初は辞退していた彼も、喜んでいる私の様子が嬉しかったのか、コーヒーを飲みに戻ってきてくれました。
接続できなかった理由は、誰かが誤って私たちの線を抜き、それを今度は間違ったところに繋いでいたからだそうです。

コーヒーを飲みながら話をしたところ、彼自身も187番に電話をするシステムは全く駄目だと思っていることが分かりました。
彼だけではありません、187番に電話をしたことがある人はみんな当てにならない窓口だと苦情を言います。
昔はそれぞれの町に相談窓口があり、町の人が電話をすると直ぐに対応してくれたものだけど、この187番に電話をするようになってから、どこに繋がるか分からないのでトラブルがなくなるまでものすごく時間がかかるようになったとか。
現に、私は10日以上も電話をし続けたにもかかわらず、来てくれた技術者の彼に連絡が入ったのはほんの1日前だったそうです。
本当に187番は・・・、と愚痴も言いたくなります。

ジョン・クロードはと言いますと、2月6日の金曜日に帰ってきました。
早朝の瞑想の後、毎朝プールに行き、一泳ぎした後に太陽を浴びていたそうで、真っ黒に日焼けして、また5kgも痩せてきましたので、ピサ空港で見たときは、ひょろり学生のようでした。
とても元気で、痩せたためか目がぎょろっとして、しかし光り輝いていて、本当にいい経験をしてきたという、すがすがしい素敵な顔になって帰ってきました。
接続の問題は解決してしまった後でしたが、その方が良かったです。
でなければ、帰ってきたそうそうに走り回らなければいけないところでした。
2ヶ月と1週間、数日を除いては全く人と話すことなく瞑想に徹したそうで、帰ってきた今は、その時の経験話を始めると堰を切った水のように彼の口からあふれ出してきます。
これからゆっくりと時間をかけて聞かせてもらおうと思っています。

今日のサイトに載せた写真は、7種類の具(七福神を表すそうで)を入れて作った巻き寿司を東北東を向きながら丸かじりすると縁起がいいという記事を読んで、作った巻き寿司です。
具は、ほうれん草、豆腐、卵、椎茸、人参、サヤエンドウ、大根の7種類。
丸かじりはしませんでしたが、テーブルに座る私の席がちょうど東北東を向いていますので、そこに座って美味しく頂きました。
この写真を見せたところ、僕にも作ってね、とジョン・クロードから早速催促されました。