Kiyomi D

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自然の息吹

rose

5月を目の前に、やっとトスカーナにも春らしい気候がやってきました。
私がインドへ行っている間も雨や雪の日が多かったと大家さんから聞かされ、2月下旬に帰ってきてからも40cmを超す大雪に見舞われたトスカーナ。
それからもあまりパッとしないお天気が続き、今年はどうなっているのか、と思っていましたが、やっとこの週末から太陽が輝き始めました。
太陽が輝くと気温が一気に上がります。
冬の間、ポカポカと暖かい家の中に干していた洗濯物を久しぶりに庭に干していたら、思いのほか暑くて・・。
これです、これ、トスカーナはこうでなくっちゃ・・。

木々には若葉が出始め、見る度に大きくなっています。
最初は小さな手を握りしめたような丸く縮こまった形の葉が出て、それが時間をかけてゆっくりと指を開くように広がります。
そして、その広がった葉が日ごとに大きく育っていくのを見ていると、ああ、自然は生きているのだなぁ、とつくづく思わされます。
冬の間は葉を全て落としてしまい、 死んでいるのではないかしらと思わせるような、 寒さにじっと耐えながら立っている木々が、春がやってくるとともに息を吹き返し、若葉を茂らして、実までつけてしまうのですから、自然の力はすごい。

こういう自然の目覚めを感じるときは、自分自身も冬眠から覚めて、さぁ、これから又この1年、色んな事に挑戦しよう、という新たな力が湧いてきます。
特に2010年は私たちに新しい変化をもたらす年だと言われます。
私の周りにいる人たちの中にも、今年から全く新しいことを始めた人が沢山います。
私自身も、今年は新しい目標があります。それに向かって、既に作動し始めました。詳しいことは未だお伝えできませんが、気持ちはそれに常に向かっています。

さて、4月。私の誕生日がある月です。
いつもでしたら、私の誕生日を日記に書くところですが、今年は誕生日祝いをしませんでした。
本当のところ、今年は還暦を迎える私ですので、30人くらいの知人、友達をレストランに招待して、ちょっとだけ大げさなパーティーをしようと計画を立てていたのですが、4月初旬に南フランスへ行く事になり、そして4月は未だ寒いよ、と言うジョン・クロードの言葉を尊重して、パーティーは夏に開くことに変更されました。
それで誕生日は大きなバラの花束をジョン・クロードからプレゼントされて、それで終わりになるはずだったのですが、大家さんの奥さんが新しく開いたばかりのレストランで夕食を一緒にしようと招待してくれて、大家のダンテと奥さん、私とジョン・クロードの4人だけで、レストラン貸し切りで(客が誰も入って来なかったので)食事を楽しみました。
お付き合いが10年近くにもなる大家さんちの人たちは家族のようです。

考えてみると、私の大きな年の誕生日はいつもどこか別の国でお祝いしています。
20歳の時は未だ日本、30歳の時は3年間住んでいたスペイン、40歳の時はスイスで、この年、インドに1年、それからシンガポール、オーストラリア、マレーシア、サンフランシスコ、日本などを1年かけて旅行しています。
50歳の時はちょうどスイスの銀行勤めを辞めてインドへ行き1年間滞在した年で、誕生日は友達10人ほどを招待してインド紅茶とケーキで祝い、更にこの後シンガポール、オーストラリア、フィジ、バリ、ハワイ、サンフランシスコ、ニューヨークなどを半年ほどかけて旅行し、最終地として今住んでいるトスカーナに到着していますから、私の誕生日プレゼントとしては、毎回、大変な物を頂いているのです。
更に、イタリアのトスカーナで60歳になる今年の初めには、誕生日祝いとしてインドへ1ヶ月半行っています。
感謝しなければいけません。

ですが、60歳はなんだか特別な歳。昔だったら、この歳で亡くなる人が多かったとか。この歳まで健康で生きてこられた感謝の気持ちを、できることなら身近にいる人達と一緒にお祝いして分かち合いたいので、誕生月には出来ませんでしたが、この夏には是非パーティーを実行したいと思っている私です。

面白いことに、こちらヨーロッパでは、自分の誕生日は自分でケーキを買ったりして周りの人に振る舞います。
「今日は私の誕生日なの。ケーキを買ってきたので食べてね」と、私がスイスの会社にいたときも、みんな自分の誕生日の時はそうやって朝からケーキの箱を抱えてきたものです。夕方からお祝いをしたい人は、おつまみやワイン、ビールまで運んできました。
日本の場合は、私が覚えている限り、自分の誕生日を人に「一緒にお祝いしてー」と宣伝しませんよね。それとも、今はするようになったのでしょうか?
家族の人や周りの人が自分の誕生日を知っていて、本人の知らないうちにパーティーやお祝いを計画してくれる、と言うのが普通ではないでしょうか。
長い間、日本を離れているので、私が間違っているかもしれませんが。
こちらではそうやって受け身でいる人や、じっと待っている人には何も起こりません。自分の誕生日などをお祝いして欲しいと思うのなら、自分から率先してやらないと、誰もお祝いしてくれなかった~、と寂しい日で終わってしまうことになるのです。

5月か6月にはスイスへ車のサービスと休暇で行く予定です。
7月にはピロネー山脈がある南フランスへ10日間ほど行く予定。
山脈近くのある街の市長自身が瞑想やエコロジーに関心があり、町を興して、瞑想、ヨガ、エコなどに関してのお祭りが4-5日間開かれます。
コンフェレンスは勿論、禅ウオーキングやヨガなどに参加したり、又オーガニック市場が開かれたりと、結構面白そうなのです。

4月初旬にはニースやカンヌの隣町アンティーブに住む友達を訪ね、その後更に南下して、テゥールーズやカルカッサン、ナルボンにほど近い田舎町にすむ友達を訪問していました。
フランスですから、私とジョン・クロードはクロワッサンの食べ歩きをして、やっと最後に美味しいクロワッサンにありつけることが出来ました。
私にはどこのクロワッサンも美味しく感じたのですが、そうではないようで、フランス生まれのジョン・クロードはクロワッサンの本当の美味しさをよく知っており、アンティーブの町を離れる直前に、行列の出来ているブロンジェリー(パン屋)でそのクロワッサンに出会いました。
あまりに美味しいので、余分に買って、トスカーナにも持って帰りました。
この行列の出来ていたパン屋さんで買ったバゲットも又美味しかったこと。
ショーウインドーに入っていた色んな種類のケーキも生つばが出るほどだったし、やはり、パンとケーキはフランスの方が絶対美味しいと私は思います。

ということで、私の干支である今年は今まで以上に生きている喜びを一瞬、一瞬感じながら過ごしていく年になりそうです。
トスカーナにももう10年。
春、夏、秋、冬と毎年同じような季節のお知らせを日記に書いてきましたが、もういいでしょう。
これからはちょっと違ったことをお知らせしていければと思います。