Kiyomi D

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エコなパリ旅行

パリに行って来ました。
郊外に長く住んでいると、たまに都会に出たくなります。
「どこか行こうか」「うん、行こう、行こう」
「どこ行こう?」「パリ!」「うん、パリに行こう!」と即決でした。
パリには既に何度か行っています。今回はどこへ行こうかと考えました。
エッフェル塔には数回登ったし、凱旋門にも登った、ノートルダム寺院へも行ったしセーヌ川のグルーズも経験済み、モンマルトルの丘に立つサクレクール寺院にも行ったし、ルーブル美術館に行ってモナリザも観た。
そうだ、フランス人は有機栽培に大変興味を持っているので、オーガニックレストランが沢山あるはず、そんなレストランを巡る旅にしない?と私が提案すると、あっ、それはいいアイデアだとジョン・クロードも賛成し、いくつかの美術館巡りも提案した後、早速ネットで検索して、いよいよパリへ。

パリへは格安航空を利用しました。
一度スイスに住んでいるときに車でパリまで行ったことがありますが、パリ周辺のバイパスと言うのでしょうか、道路がものすごい渋滞で、のろのろ運転すること2時間近く。その間に、車の間を縫って走るバイクに衝突されて、え~~っ、と気がついたときにはバイクはすーっと逃げてしまい、残されたのは車体の傷、と言う経験があり、あれ以来、パリへ行くときは飛行機を利用します。
今回利用したのはピサからパリまで飛んでいるイージージェット。他にライアンエアーという航空会社もあり、 予約が早ければ早いほど安くチケットを購入することが出来ます。
格安の変わりに機内ではお水さえサービスされません。有料で飲み物やサンドイッチなどを売りに回って来ますが、買っている人はほとんどいません。
飛行機が空港に到着し乗客が全員降りたら、そこで掃除をする人が入るわけでもなく、普通のバスのように直ぐに次の乗客が乗り込みます。
その代わり、飛行機が空港に到着する前に、スチュワーデスが大きなゴミ袋を持って回り、乗客が持っているゴミを集めていました。
そうそう、格安便には指定席もないので気に入ったところに座ります。
イタリアのピサからパリまでたった1時間20分の旅。これでいいのです。
私たちの場合、空港Tax等を入れた往復航空料金が二人で270ユーロでした。
電車賃よりも安い!

パリでは以前宿泊して気に入ったモンパルナスにあるホテル・メリディアンに宿泊しました。空港からこのホテルの前までバスが発着するし、鉄道や地下鉄駅も直ぐ目の前で、移動にとても便利なのです。
周りにはレストランやブティック、マーケットなども沢山あり、私たちもホテルの直ぐ横にあるマーケットで水やリンゴを購入しました。
このホテルは23階まであり、14階以上が禁煙フロアーになっており、私たちは15階のお部屋を貰いましたが、パリの町の眺めが素晴らしく、エッフェル塔こそ見えなかったものの、夜は三日月が目の前に輝いていました。

さて、オーガニックレストランで見つけたのは、先ず、ベルギーが発祥の地だという小さなレストラン「Le Pain Quotidien ル・パン・コティディエン」です。
http://www.lepainquotidien.com/
商品の全てではありませんが、パンを初め、野菜、卵、オリーブオイル、バルサミコ酢、蜂蜜などオーガニックで(ちなみにこちらではオーガニックと言わずにBioといいます)イス、テーブル、店内も素朴な木で造られていて、店の雰囲気もアットホームです。ワインなどアルコール類も置いています。
朝食を食べに地下鉄を使って2回通いました(滞在が短かったので2回しか通えませんでしたが、もっと日があれば毎日通ったと思います)。
ここのクロワッサンがそれは、それは美味しくて二人で感激しながら食べました。
皮がハラハラ、パリパリしていて、う~~ん。バターを多くさん使っているなぁ、とは思いましたが、この美味しさに、カロリーなんてこの際どうでもいいように思えてしまいます。
テーブルの上にはいつも3種類の手作りのジャムが置いてあり、パン同様食べ放題。蜂蜜は勿論Bioで、熊さんの形をしたプラスチックの容器に入っていて可愛いのです。家に持って帰ろうと料金も支払ったのですが、家に帰ってみたら荷物の中に見つかりませんでした。どうも店に忘れてきたようです。あちゃ~。
後から分かったことですが、「Le Pain Quotidien 」は今世界中に150店もの支店があるそうです。パリだけで4店もあるとか。日本にも出店したようですが、サイトがまだ出来上がっていなくて、詳細は分かりません。
私たちが行ったときも、日本人や中国か韓国人旅行者がやってきていました。面白いのは、アジア系の人たちは朝食にハムやサラミ、サラダなど塩味を食べるのに反して、ヨーロッパ系の人たちはパンにジャムなど甘いものを食べることです。

別の日に行ったのはポンピドーの近くにあるBioレストランで、ここは完全なベジタリアンレストランでした。更に別の日は「EXKI」というチェーン店ですが、会社や学校にあるようなセルフサービス式の簡単レストランに行ってみました。
ここには野菜の他にチキンやハムなどもあり、全てBio。そして容器やナイフ、フォークなどは自然に優しい原料で造られており、生ゴミは野菜などを育てる肥料に使われるという、正にエコを目指しているお店です。

Bioではないけれど、オペラ座近辺にいくつもあると書いてあった日本レストランの一つにも行ってみました。格式高いレストランは見つかりませんでしたが、お店にいるウエイターやウエイトレス全員が日本人という安心して食べられる回転寿司店「江戸っ子」を見つけ、久しぶりに寿司を食べてきました。パリ在住のインド人家族が横で食べていて、10歳くらいの子供二人と両親が、回転寿司を食べる、食べるで、お皿を塔のように高く積み上げていました。
若いパリッ子たちも沢山食べに来ていて、こちらでも寿司が流行っています。
27 Boulevard des Italiens (イタリアン通り)

美味しかったと言えば、偶然見つけたティーサロンで食べたお菓子のことをご紹介したいと思います。
パリ2日目、午後3時から4時頃にルーブル美術館の前に広がるテュイルリー公園の横を歩いていたときです。店のショーウインドウを撮影している人がいるのでふっと見ると、可愛いお菓子が綺麗に飾られていて、店内を見てみると、中はティーサロンでした。ちょうど時間的にもおやつの時間だし、歩き疲れてもいたので休憩がてら、お茶にしようと中に入ってみましたら、日曜日だったこともあり中は人で一杯。空き席を待っている人が10人ほど行列を作っています。私たちも少し並びましたが、列はなかなか短くならないので、諦めてお菓子だけ買ってテュイルリー公園で食ベる事にしました。
買ったのはミルフィーユと、秋ですから栗のクリームを使ったモンブラン。
公園で半分ずつ食べましたが、先ず食べたのがミルフィーユ。それが、もう大変に美味しかったのです。パイ状の皮がふんわりパリパリ、そしてクリームは身体が溶けてしまいそう~な気分になるほどのうまさ。その後食べたモンブランがかすんでしまいました。
このティーサロンの名前は「ANGELINA,アンジェリーナ」。ホテルに帰って知ったのですが、パリではとても有名な100年の歴史があるお店だそうで、モンブランといえばANGELINAと言われるのだとか。

パリ3日目のお茶の時間に又ここへ行ってみました。今度は月曜日でしたから、少し待てば座ることが出来、またまたミルフィーユを頂いてきました。
内装はベルエポカ的で、シャンデリアなどが下がっていて、雰囲気があります。
驚いたことに、私たちの注文を取りに来てくれた女性が、有名な女優アンジェリーナ・ジョリにそっくりだったことです。アンジェリーナのお店にアンジェリーナ?
なに、ここで撮影でもしているの?と思ったほど、彼女のやせ具合から魅力ある目と鼻、唇はそれほどぽっこりしていませんでしたが、雰囲気が彼女そっくりでした。週末に働きすぎたのか、少しお疲れ気味のように動作が緩慢で、お茶とケーキを私たちのテーブルに置きながら、顔は外を向いたまま「ああ、外はいいお天気・・!」と一言。
こうやってお仕事をしている人たち、本当にご苦労様です。

さて話は変わって、美術館で最初に訪問したのは鉄道の駅を35年ほど前に改築して美術館にしたという、セーヌ川の直ぐ横にあるオルセー美術館。
http://www.musee-orsay.fr/en/home.html
丸みを帯びたガラス張りの天井から陽光が差し込み、美術館は2階まであるものの天井まで吹き抜けなので開放感があり、ゆっくりと見て回ることが出来ます。
そして、そこに置かれている美術品、絵画、彫刻品などの素晴らしさ。
モネ、マネ、ゴーギャン、モロー、デガス、ティソット、ルノアー、デガス、テゥルーズ、ミレー、ファン・ゴッホ等々、印象派達の画が多く並び、「学校の美術の本で見たことあるー」という画ばかりで、とても楽しめました。
イタリアの美術館には宗教画が多くて、無宗教な私にはちょっと退屈なところがあります。
オルセー美術館では、壁に掛けられている画を自分の鼻がくっつくほど近づいて観られるので、ブラシタッチなども分かり興味深いのです。
http://www.musee-orsay.fr/en/collections/works-in-focus/painting.html
平日は午後5時半が閉館で午後5時から既に入館は出来なくなりますので、行かれる方は入館時間の確認をされますよう。

次の日に行ったのはメタルパイプで造られたような建物ポンピドーセンター内にある、モダン&コンテンポラリーアート作品が並ぶ美術館です。
ポンピドーセンター内では、いろいろな展示会や映画、演劇、絵画展などが行われているのですが、私たちが行ったときは上の美術館だけが開かれていました。
はっきり言って、私たちにはこの美術館を回ったのは時間の無駄でした。現代アートという名を使って、人間の中に凝圧されたものを病的にけばけばしく表すような作品ばかりが並んでいて、私は気が滅入り、疲れました。

この後に行ったのがコンコルド広場の真ん前に位置し、テュイルリー公園の中にあるオランジュリー美術館です。
ここで有名なのはモネ最後の大作「睡蓮」です。小さな楕円形の部屋の壁全体に「睡蓮」の絵が飾られています。天井からはモネが希望した陽光が部屋全体に柔らかく差し込み、一瞬、本当に蓮の池の前に立っているような錯覚を覚えます。
このような部屋が2つあり、そこにじっと佇んでいるだけで心静かになります。
地下にもピカソや別の画家達の画が沢山展示されていましたが、私はモネの睡蓮を見ただけで出てきました。http://www.museesdefrance.org/museum/special/backnumber/0605/special02.html

ジョン・クロードの希望でルーブル美術館の地下に出来たマックの新店にも行き、その周りに沢山のお店が出来ているのにも驚きました。
美術館の地下には、外の長い行列に並ばなくても別の所にある階段で簡単に入れることを、たまたま通りかかった警備員に教えて貰いました。美術館の切符もそこで買えるようです。
秋口に入りかかったパリでしたが、良いお天気に恵まれて、パリの魅力を又楽しむことが出来ました。
次回は、パリのある地区に滞在して、徒歩でその地区の雰囲気を楽しむ旅行がいいなぁと思っています。例えば「アメリー」の映画が撮影されたモンマルトルとか・・。うん、又パリに行こう。

写真はこちらからご覧ください。