ホーム     トスカーナ日記     プロファイル


パリの食べ歩き その1

paris1

トスカーナ、温かい日が続いています。9月後半に、少し肌寒くはなったものの、このところ又温度が上がり、初夏のような気候です。今日は28度まで上がりました!!
10月の中旬にしては温かすぎるんじゃないか、と思ったりもしますが、まぁ、その内に寒い秋、そして冬に突入するでしょうから、今はこの温暖気候を楽しんでおくことにしましょう。

そんな中、私とジョン・クロードは17日から4日間、パリへ行ってきました。
旅行へ行く時に考えてしまうのが服装です。パリはトスカーナから見ると随分と北にあります。パリの秋冬は寒いのが通常ですから、トスカーナは温かくても、きっとパリではコートが必要だろう、ひょっとしたらダウンのコートを用意して行った方がいいかもしれない、等と考えだし、1週間前からパリの天気予報を見ていました。
天気予報によると、私たちがいく4日間は雨模様。パリは良く雨が降りますから、別にこれには驚きません。
「気温は?」と見て見ると、日中気温が15度前後となっていました。
「やっぱりパリは寒いは。ダウンは大げさだけど、厚めのコートは必要だね」
そう考えた私は、数少ないコート類の中から、ウールの厚めのコートを選び、それを着ていく事に決めていました。
ところが、出発前日に天気予報を見て見ると、雨模様はそのままありましたが、日中気温が2日目から20度まで上がるとなっていました。
出発直前で、私は厚めのコートを、GEOXの風を通さない薄手のコートとジーンズジャケットに切り替えました。それに長いコットンのマフラーを用意して。
さて、パリに到着してみると、これが予想外に温かかったのです。
Tシャツの上に薄めのセーター、そしてジャケットは薄手のコートだけで十分でした。特に到着後2日目は太陽が出て来て、コートを脱いでしまったほど。それでも歩いていると汗をかいてきて、「厚手のコートを持ってこなくて本当に良かった」と、つくづく思いました。私は大体にして晴れ女なのですが、今回のパリ旅行でも傘をさす事もなく、寒さに震える事もなく、いい旅行が出来ました。

さて、今回のパリ旅行は、食べ歩きでした。
いえ、メインの目的は、フランスで初めて開かれる「ヨガ・フェスティバル」を訪問することだったのですが、それは1日だけで、後はパリで美味しいと評判のレストランを食べ歩く事でした。
ピサ空港から往復チケット一人30ユーロ(約3千円)のイージージェットに乗り、パリのオルリー空港に到着したのが午後の5時頃。タクシーで真っ直ぐホテルに向かいました。
ホテルは「ママシェルター」www.mamashelter.com/en/paris/photos/
ジョン・クロードが今年の春に利用して、気に入ったところです。6階建てのこのホテル、内装はやや暗めで、そこら中の壁や天井に落書きのような文章が並んでいて、ちょっと変わったホテルですが、レセプションからレストランにいたるまで、きびきび働いている従業員全員が若者で、何となくヒップホップ的な、他のホテルにある気取った雰囲気がない、出入りしやすいホテルでした。そのためでしょうか、若いビジネスマンやウーマンが沢山利用していました。レセプションの直ぐ横には誰でも利用出来るMacのPCが2台ドンと置いてあります。面白いのが部屋にあるTVもMacで、TVとしてもパソコンとしても利用出来るようになっています。
若者的でイージーなホテルなのに、ベッドは雲の中に寝ているような気分になる、素晴らしいものでした。このベッドの為だけでも、再利用したいと私は思いました。

さて、この夜は1ヶ月ほど前から予約を入れていた、シェフが日本人で、一つ星をもらっているレストラン「Sola」へ出かけて行きました。www.restaurant-sola.com/
場所はノートルダム寺院の直ぐ近く。レストランには地下に日本式の座席、1階にフレンチスタイル(普通に椅子とテーブル)があります。
せっかくなので、私たちは日本式の座席を予約しました。日本式と言うのは、掘りごたつのようになった座席です。座席の板の間に上がる前に、銭湯にある下駄箱のような箱に自分の靴を入れ、中に入っているスリッパに履き替えます。
ここでサービスをしているウエイトレス達は、テーブルの側では膝つきのような形になり、終わると、すっと立ち上がって行くのですから、足腰にかなりいい運動になっていると思います。皆さんスレンダーでした。
レストランのメニューは一つしかありません。シェフがその日にマーケットで仕入れた食材でメニューを作ります。
ただし、最初に「食べられない物、嫌いな物はございますか」と聞かれます。
私たちは「肉は食べません」と伝え、肉なしのメニューを作ってもらいました。スタッフの半分以上が日本人ですから、日本語で大丈夫です。

最初にテーブルに運ばれた物は、小さな皿に載った錠剤のような物でした。
「素晴らしい食事を頂く前に、こんな錠剤を口に入れるのかな?」と、私が不思議に思っていると、ウエイトレスがその錠剤のような物の上に少しずつお湯を注ぎ始めました。そうすると、摩訶不思議!、錠剤のものがニョキニョキと大きくなり、とうとう高さ6cmほどに育ってしまいました。
「なんだこれは?」そう思っていると、ジョン・クロードがそれで手を拭き始めて、私は初めてこれが「おしぼり」なのだと解ったのです。
皆さん、こういう物、ご覧になった事ありますか?私は初めて見ました。隣に座っていたフランス人客も、これには驚いていました。
夕食はアミューズ2種から始まり、前菜2種、主菜3種(!)、デザート2種が並びました。どのお皿もアイデアが一杯詰まり、目を見張る飾り付け、そして美味しい味付けで満足しました。イタリアの「お皿にたっぷりメニュー」に慣れた私の目には大変に新鮮でした。こういう洗練されたものがたまには食べたくなります。
ただ、メインの3種目は、私たちには多すぎました。普通、主菜は魚、魚、肉で出てくるようですが、私たちは肉を食べないので3種とも魚になり、最後の魚が多すぎたのでした。
最後のコーヒは、もう夜も更けていたので飲みませんでしたが、それについてくるお菓子だけは持って来てくれました。そのお菓子の四角い方は、何かの泡(聞いたのですが覚えていません)を四角く切り、そこにきな粉をまぶしてあるそうで、口に入れるとすっと溶けてなくなり、これにも小さな驚きがありました。
私たちはグラスでシャンペンを飲み、お水も注文して、合計218ユーロでした。

さて、気に入ると何度もリピートしたがるジョン・クロードが、「夕食と昼食はメニューが違うから」と言うので、次の日の昼食も、レストランSolaに行きました。
受付の女性やウエイトレスの数人は、私たちが昨晩来た事を覚えていてくれて、「昨晩はありがとうございました」「ああ、ごちそうさまでした」とお互いに挨拶して、着席。昼食は1階の椅子とテーブルの座席を選びました。私には、やはりこちらの方が楽でした。
昼食はアミューズ1種、前菜1種、主菜2種、デザート1種。どんなものが出てくるのかなぁ、とワクワクしながら待っていると、先ずは、あのびっくりおしぼりが出て来て、そのアイデアに改めて驚き。
いよいよ、アミューズです。期待一杯でお皿を見て見ると、あれ?昨晩と同じ物が出てきました。少しがっかり。次の前菜を期待していると、あっ、また昨晩と同じ物だ。この辺りで、私とジョン・クロードはいや~な予感が。
次、二つある主菜のうちの一つ目が、昨晩と全く同じ物で出て来たときは、こりゃあ、いけないと思いました。
それで、私は持って来てくれたウエイターに「昨晩と同じ物が出てくるのだが、楽しみにやって来たこちらにしては、ちょっと悲しい。もし可能なら、次のお皿は昨晩と少し違った物にしてくれないか、とシェフに伝えてもらえないだろうか」と言ってみました。お味はいいのですから、同じ物が出て来ても良かったのですが、せっかく再訪したのです、可能なら、違った味のものが食べたかったのです。シェフが臨機応変で変えてくれるのなら、それこそ立派なシェフでしょう。
「さあ、どんなお皿が出てくるか・・・?」
楽しみに待っている私たちのテーブルにウエイターが置いたお皿は・・・、「おお~~~!」、昨晩とは明らかに違った飾りの一品でした。
「もうメニューが決まっているので、メインの魚は変えられませんが、味付けを少し変えてみました」、とシェフがおっしゃったそうです。感謝!
最後のデザートも昨晩と違っていて、満足いたしました。
昼食はお水だけを注文して合計110ユーロでした。
32歳のお若いシェフとも一緒に写真を撮らせていただきました。
お勧めのレストランです。
私たちもパリに行った際には、又訪問いたします。ごちそうさまでした。

パリの食べ歩き、続く。

paris1

レストランSolaの地下にある日本式座席

paris1

最初はこの3分の1の大きさ

paris1

お湯を注いでいくと、ニョキニョキとこの通り、おしぼりの出来上がり

paris1

前菜の1種、スモークドサーモン、ショウガのジュレ

paris1

前菜の2種目、帆立貝サン・ジャック、おいし!

paris1

主菜1種 綺麗!

paris1

主菜3種、ヒラメ、秋ですから茸があちらこちらに使われていました

paris1

デザート1種、上にマンゴジュースの膜、口に入れるとホワッと溶けてマンゴの味が広がります

paris1

デザート2種、まん丸い透き通るほど薄いカシスの膜、下に濃厚なピスターチのクリームが隠れています。
デザートはどちらも一気に食べました

paris1

Hiroki Yoshitakeシェフ、お忙しいところ、わざわざキッチンから出て来てくださいました