ホーム     トスカーナ日記     プロファイル


誕生日

cake

今年に入り、大家の奥さんダニエラが長い間続けて来たレストランのクックの仕事を辞め、家庭に入る事になりました。
去年の9月、ダニエラの長女ロベルタが次女を出産し、ロベルタが午前中だけですが仕事を再会したので、彼女の8歳になる長女と次女の世話をおばあちゃんのダニエラがすることになったのです。おばあちゃんと言ってもまだ53歳ですが。
8歳になる長女のエミリーのときは、ダニエラも朝から働いていたので、私が度々下に降りて行きベビーシッターをしたものですが、二人も孫が出来てしまうと、そうはいかなくなり、結局、ダニエラが仕事を辞める事になりました。
毎朝、ダニエラは 8歳になるエミリーを学校に送って行き、即、家に引き返して、寝かせている約6ヶ月になる次女ビアンカの世話をします。
ダニエラがいない時にビアンカが泣いたとしても、今は大学を卒業して個人医院を開業しようと計画しているダニエラの次女が家に入るので、それは大丈夫。
イタリアでは、おじいちゃん、おばあちゃんが孫の世話をするのは当たり前。孫の世話をしてくれる両親がいるから子供を産む、と考える人も決して少なくありません。
そうやって家族で協力していかないと、若い人たちは自分たちだけで生活をする事が難しい状況にあります。経済的な問題が一番大きいのですが、元々イタリア人は家族の絆が強いですから、家族で協力するのは当たり前なことなのです。

クックの仕事を辞めたダニエラは、今、毎日家庭でその腕を披露しています。仕事をしていたときは娘達に家庭料理を作ってあげる事が出来ず、娘達はおばあちゃんのところで食事をしていましたが、今年になってやっとダニエラ母さんが食事の支度をする事になりました。
そんな訳で、今年から誰かの誕生日がやってくるとダニエラがケーキを作っています。
それまではエリーナおばあちゃんが毎年家族全員の誕生日を覚えていて(私とジョン・クロードの分まで)、食事とケーキを作って祝ってくれたものですが、エリーナおばあちゃんは、一昨年、石畳で転んで怪我をし、怪我はたいした事がなかったのですが、運び込まれた病院で間違ったところに静脈注射を打たれ、その為に彼女の利き腕が腫れ、そして指先まで真っ黒に変化してしまいました。
今は腫れも引き、黒くなった腕も元の色に戻りましたが、指がうまく動かない後遺症が残り、もうみんなの為に食事やケーキを作る事が出来なくなってしまいました。
みんなの為に食事を作るのが生き甲斐だったエリーナですから、それが出来なくなった彼女は、一時生命力がとても落ちてしまい心配しましたが、去年80歳になってから、また俄然元気を取り戻しました。すごく痩せているのに生命力は大きい。エリーナに電話をすると、ガンガン響く声で話をしてくるので、「ああ、元気だなぁ」と思っています。

大家さんちのメンバーは春に誕生した人が多く、ダニエラは今年既に4つの誕生日ケーキを作りました。
ダニエラがケーキを作ると、必ず私たちも招待されます。
それで4月7日の誕生日が迫っている私も、昨日の日曜日、大きなチョコレートケーキを作って、みんなでお祝いをしました。
本当は4月7日の日曜日にお祝いするのが良かったのですが、誕生日祝いにジョン・クロードがパリ行きをプレゼントしてくれたので、その日は、私たち、パリなのです。
その前の日曜日3月31日は、ちょうどイースターに当たるので、それを避けて、2週間前倒しの誕生日になりました。
大家さんちと私たちは、誰かの誕生日がやってくると資金を出し合ってプレゼントを買います。
昨日、私はシャネル5番の香水をみんなから頂きました。 嬉しい。
エミリーの音頭で「ハッピーバースデー」の歌を、先ずはイタリア語で、そして次は英語でみんなから歌ってもらい、大きな笑い声の中、私はイタリア家族の温かい愛情をしみじみ感じました。
私の作った濃厚なチョコレートケーキはバニラアイスと一緒に食べてもらいました。
美味しいかどうかちょっと不安だったのですが、みんなから「美味しいわ~」と言ってもらい、朝から緊張していた私はホッとしたものです。

ケーキを食べた後、太陽も出て来たので、みんなで庭に出て日光浴。
孫のビアンカの写真も初公開です。こんな暖かい家族の中で私とジョン・クロードは暮らしています。平和です。

cake

私の手作り、チョコレートケーキ。真ん中にバラの花を飾ってみました

cake

みんなでケーキを食べる前に「かんぱーい!」。
この写真を撮ってくれたダニエラのカメラが中古で、 外の光も強い為、画像がはっきりしていなくて残念。

cake

ビアンカとジョン・クロード

cake

大家さんちの次女とボーイフレンド。彼女は大学を卒業するまでボーイフレンドを連れて来た事がなく、
大家さんと奥さんのダニエラはちょっと心配していましたが、卒業した途端、素敵なボーイフレンドを
連れてくるようになりました。というか、週に3日ほどはお泊まりです。
ちなみに、彼女は高校も大学も優等生で卒業、論文発表会では100点満点のうち110点をもらいました。
二人の間にいるのは2匹の犬ですが、黒いから分かりにくいですね。

cake

家の庭でひなたぼっこをする私たち。私の前にいるのはパジャマ姿で部屋履きを履いた8歳になるエミリー。
エミリーのマンマもパジャマ姿でケーキを食べていました。仕事や学校のない日は、みんなリラックス。