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ローマ行き

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先週、私のスイスパスポートの更新をする為、スイス大使館があるローマに行ってきました。
その前日に私が風邪を引いてしまったこともあり、ローマ行きはちょっと大変な日になってしまいました。

私とジョン・クロードは昼食が終わった午後、大家さんちの犬ペストとカレーを連れてウオーキングに出かけます。
ペストとカレーは日増しに大きくなり、それに連れて力も強くなってきましたが、同時にしつけも覚えてくれるようになり、私たちの良いウオーキング仲間になっています。
ローマに行く前日もそうやって二人と2匹でウオーキングに出かけました。
風もなく、雲一つない青空がもう2週間ほど続いているトスカーナは、この日も暖かくて、軽いウオーキングのジャケットを着ていた私はすっかり汗をかいてしまいました。
ウオーキングから帰って来たら、そのまま家の中に入れば良かったのですが、あまりの良いお天気に、私は我が家に上がるテラスの階段の中段に座って、その平和な雰囲気をぼーっと楽しんでいました。
10分ほどそうして座っていたのか、そこへジョン・クロードがやって来て、
「汗をかいているのに、そうやって冷たい空気の中に座っていると風邪を引くよ。おまけに、ジャケットの前を開けていて・・」
と教えてくれたのですが、その途端、私は身体がゾクッとするのを覚えました。
「しまった!」
と思いましたが遅かりし。
それから風邪が私の身体を支配して行くことの早いこと。
夕方には鼻の奥と喉が痛くなり、身体の力もガタンッと落ちました。
夜、寝る前にアスピリンを飲んで、夜中に大汗をかいてパジャマを着替え、ほとんど眠れないうちに朝5時前に起床。
海際の街チェチナの駅から出る朝6時半発のローマ行きの電車に乗る為に、我が家を5時半には出発。
駅には15分早く到着し、 列車に乗る前にバールでコーヒーを引っ掛けました。

ローマ行きの電車は時刻通りにやって来ましたが、私たちが予約していたファーストクラスが何処にあるのか分からず、先ずは目の前にあるセコンドクラスに乗車。
間もなくやって来た車掌さんにファーストクラスは何処ですか、と私が訊くと、この電車にはファーストクラスはない、という返事。
予約をする際にファーストクラスと伝え、切符にもちゃんとファーストクラスと書かれているのですが、ないと言われたらしょうがない。
私たちは、そのままセコンドクラスに座って行くことにしました。
ところが、その車両が寒くて、寒くて、外から乗って来ても帽子さえとることが出来ないほど寒いのです。まるで冷蔵庫の中のよう。なにしろ外の気温は0度でしたから。
早朝ですから、さほど乗客はいなかったのですが、それでも次第に一人二人と立ち上がって足踏みをし始める状態になりました。
ジョン・クロードも歩き始め、私も後ろの男性もみんな立ち上がりました。
そうやって1時間も経った頃、先ほどの車掌さんが又通りかかったので、私は直ぐに彼を引き止めました。
「お訊きしますが、どうしてここ、こんなに寒いのですか?」
「ああ、暖房が故障しています。後ろの車両は暖房が効いているので、後ろに行ってください」
ええ~~、どうしてもっと早く教えてくれないの!!
どうやら1両目と2両目の暖房が故障していたようです。
ぞろぞろと後方の車両に移った私たちと乗客達は、やっとローマまでの2時間、ホッとしながら座って行くことが出来ました。

到着したローマが又想像以上に寒かったのです。トスカーナが暖かいので、更に南にあるローマも暖かいだろうと思っていたのですが、頑丈な建物の間にある通りには太陽が照らないので底冷えがするよう。
それに予想していたクリスマス飾りも街には殆ど見られず、沢山の人がざわざわと動く灰色のローマを見て来た気持ちです。
肝心のパスポートの更新は、さすがにスイス大使館です、何から何まで最新のシステムで、あっという間に終わってしまいました。 こういうところがスイスの良いところです。

さて、スイス大使館を出た私たちは、ローマ駅まで戻ろうと市内バスに乗ったのですが、乗って間もなく、このバスと小型車が小さな追突事故を起こし、バスは道の真ん中で停まったまま、私たちは長々と待たされることになりました。
バスの運転手が追突した車の運転手と言い合いを続けて終わらず、たまりかねたバスの乗客(おばちゃん)が、
「何やってんのよー!もう本当に、毎日、毎日、こんな事故ばっかりで!!」
とかんかんになって車掌と小型車の運転手のところまで行って怒鳴っていました。
他の乗客も怒っていましたが、怒っているのは女性の乗客だけなのには笑えました。
パスポートの更新を終えた私とジョン・クロードは焦ることもなく、ゆっくりとバスの中でイタリアのドラマを楽しませてもらいました。
電車の車掌もそうでしたが、バスの運転手も長い時間乗客を待たせておきながら、謝りの言葉が一言もないと言うのは、日本人の感覚では信じられないことです。
「お待たせしましたー」という言葉すらなく、無言でバスは出発しました。
これがイタリアか~、と久しぶりにイタリアの痛いところを見てしまいました。

まぁ、帰りの電車ではちゃんとファーストクラスがあり、温々と座って帰ることが出来た私たちですが、馴染みの小さな海際の街に到着した時、やはり都会よりも小さな街の方がいいなぁ、と思ってしまった私です。
私の風邪はそれから2日間、咳を出したり熱を出したりと大暴れを続けましたが、 やっと今日、治まってくれました。
これで新年まで、私は風邪知らずに過ごせそうです(のはずです)。

皆様も、どうぞ素敵な祭日と素晴らしい年末年始をお迎えください。

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スペイン広場を下から観たところ。冬は太陽の位置が低いので、ここまで太陽が入り込みません。黒っぽいジャケットの人が多く、冬のローマは華やいだ感じがちっともしません。

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スペイン広場から少し歩いたところですが、見てお分かりのように、通りに太陽が入り込まないので底冷えがします。
クリスマス飾りもなくて、寂しい。右の写真はジェラート屋ですが、ジェラートが見えないほど飾りで一杯。

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傘のような物が立っていますが、これがガス式のストーブで、冬でも外で食事が出来るようになっています。でも、よほどストーブの近くに座らないと寒くて食事は出来ません。右写真は、お土産屋さん。

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トレビの泉

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トレビの泉。泉の方から観光客を観たところ。

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ローマ市内には大きな公園が多くさんあります。入り込むとホッとする場所です。この公園に綺麗なオウムが2羽いました。
住んでいるんでしょうね。写真は水を飲んでいるところです。