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パスタマシン

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パスタマシン(パスタを作る機械)を私は先々週、購入しました。
パンやピッツアの生地はもうずいぶん昔から手作りしていましたが、イタリアのトスカーナにやって来て13年にもなるのに、私はまだパスタの手作りをした事がありません。
どうしてなのだろう、と今更に思いますが、まぁ、今までそう言う機会や時間がなかったという事です。

自分でパスタを作るきっかけになったのは、「食品の不寛容」を調べるテストを受けた事から始まります。
「食品の不寛容」とは、食べると直ぐに身体に変調を起こすアレルギーと違って、食べても直ぐに変調は起こらないし目に見えないけれど、毎日食べているとそれが少しずつ消化出来ずに身体に蓄積され、身体が疲れやすい、便秘になりやすい、下痢をしやすい、偏頭痛が頻繁にある、寝付きが悪い等の症状が出てくる食品の事です。
アレルギーと違って直ぐにリアクションがないだけに、どの食品が自分に合わないのか、自分自身で見分けるのは難しいのです。
不寛容食品は勿論、人に寄って違いますし、時が経つに連れて変化もするそうです。
私の場合は、麦が不寛容でした。そしてパン等を作る時に使うイーストも不寛容です。
サラダやスープに入れて食べる食用イーストというものがあるのですが、これは身体にとても良い、という事を聞いた私は、なんと35年ほど前から殆ど毎日食べていました。知らない事とは言え、恐ろしい事をしていました。もっとさかのぼれば、私は小さい頃からパンが大好きで、ご飯よりもパンを好んで食べていましたから、この頃から私の身体の中にイーストと麦が入っていた訳です。今思えば、私が小さい頃から頭痛持ちだったのは、これが原因だったのでしょうか。
ジョン・クロードは、麦は不寛容ではないのですが、私同様イーストが不寛容です。
これ以外に、二人とも乳製品やアルコールが不寛容と言われましたが、麦とイーストが不寛容ということで、去年の夏頃から私たちはパンを食べなくなりました。
パンの変わりにスペルトやカムートで作られたクラッカーやトーストパンを食べています。
スペルトもカムートも一応小麦の仲間ですが、人工的な手が加わっていない小麦の原種、古代種ということで健康食品になっています。

さて、長くなりましたが、階下に住む大家さんち一家も「食品の不寛容」のテストを受け、殆ど全員が小麦の不寛容と知らされ、イタリア人はパンとピッツアが大好きですから、みんな泣きたくなったようです。
そんなある日、大家さんちの奥さんダニエラがカムートの粉を買って来て、自分で作ったパスタを私たちにもお裾分けしてくれました。ダニエラはレストランでクックとして何十年も働いてしましたから、パスタの手作りはお手のものなのですが、カムート粉を使ったのは初めて。
そして別の日は、カムートの粉でピッツアを作ってピッツアパーティーに招待してくれました。
そのパスタとピッツアがとっても美味しかったのです。パスタは噛むとモチモチで、ピッツアはパリッと仕上がっていました。
こうなると、私も俄然挑戦したくなりました。
早速カムートの粉を買って来て、パスタの生地作り。生地は簡単にできましたが、麺棒で延ばしてパスタにするところで、私はつまづきました。薄いパスタと厚みのあるパスタが出来てしまったのです。
一応食べましたが、私的には満足出来ず、それからしばらくは手作りパスタの事は考えませんでした。
ところがある日、急にフレッシュパスタでラザーニアが作りたくなり、カムート粉で作ったラザーニア用のフレッシュパスタが必要になりました。でも、乾燥パスタはあってもフレッシュパスタはお店に売っていません。
こうなると、いよいよ自分で作るしかありません。
そして、今度こそは失敗なく同じ厚みのパスタを作りたいと思い、パスタマシンを購入する事になったのです。ダニエラもパスタを作るときはパスタマシンを使います。
私が購入したのは極シンプルな、何処の家庭にでもあるパスタマシンです。値段は4000円くらいでした。
使ってみると、超簡単にそして綺麗にラザーニア用のパスタができました。
グリル野菜を沢山入れたフレッシュパスタのラザーニアは、今まで何十回も作ったなかで最高のおいしさでした。
余った生地は冷蔵庫に入れておき、今度はそれでタリアテッレを作りました。
これもパスタマシンで超簡単に美しいテリアテッレが出来上がりました。
何事も、正しい器具を用意するのは大事な事ですね。

pastamachine

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上はラザーニア用。何度も機械を通して薄く延ばしたものです。右上はラザーニア用の生地を使ってタリアテッレを作るところ。

pastamachine

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生地がタリアテッレの形に切れて出てきます。右は出来上がったタリアテッレ。常に粉をつけてくっつかないようにします。

パスタの材料は100gの粉に対して卵1個です。これだけ。
粉が200gだと卵2個ということです。粉と卵を良くこねたら30分から1時間寝かせます。そしていよいよ延ばしてパスタ作り。なるべく薄く延ばすのがこつです。湯で時間は3分くらい。
粉と卵の生地に塩やオイルを入れる人もいますが、それはピッツアの生地に向いています。勿論、ピッツアの生地にはイーストも必要ですが。
いかがですか、皆様も、一度手作りパスタに挑戦されてみてはいかがでしょうか。形が少々崩れていても、味は最高ですよ。