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カナパ(麻)のピッツア

トスカーナ、今日は久しぶりによいお天気で、太陽が輝いて眩しいくらいです。

数日前、大家さんの奥さんと、彼女が学校時代から友達だという夫婦と一緒にピッツアを食べに行きました。
2001年に大家さんのアパートに移り住んでから、自然に私たちも大家さん達の友達と仲良くなり、時々こうして一緒に食事に出かけます。
だいたい手軽なピッツアを食べに行くことが多いのですが。

私たちがピッツアを食べに行くところはいつも決まっています。
町から少し離れた郊外にぽつんと建っているピッツェリアですが、いまだに木の釜でピッツアを焼き、皮が薄くてそれは美味しいのです。
この間フランスから来てくれたパトリシアとエロディも連れて行きました。
「私が食べた一番美味しいピッツアはナポリのピッツアだった。あれ以来、美味しいピッツアにはまだ出会っていない」
とイタリアに来て以来、各地を旅行しているエロディが言うので、それでは食べ比べてもらう事にしました。
そして結果は、
「うん、ナポリのピッツアと同じくらい美味しい!」
と言う嬉しい評価を貰いました。
そんな美味しいピッツェリアが近所にあるなんてラッキー。
 
さて今回も、友達と一緒にこのピッツェリアに行こうと思ったのですが、電話をすると11月から3月の冬の間は週末しか開けないと言われ、仕方がなく他のピッツェリアを探す事になってしまいました。
ネットで検索してみると、近くの街ヴォルテッラに美味しいピッツアがあるとか。私たちは知らないので、新しく出来たのでしょう。
ピッツアの生地も小麦粉だけではなく、いろいろ違った粉で焼いてくれると書かれていて、面白そうなので私たちはここへ行く事に決めました。
少し小降りの夕方でしたが、私たちの車に5人全員が乗り、いざ、ピッツェリアへ!
みんな50歳代や60歳代ですが、車の中はティーンエイジャーが乗っているように、がやがやとおしゃべりが止まりません。
到着したピッツェリアは、昔バーだったところを改築したらしく、店内はこじんまりとしていましたが、ネットに乗っていたように、ここのピッツアは美味しいのでしょう、デリバリーのピッツアがひっきりなしに店から外に運ばれて行きます。
それを見ているだけで期待感が高まります。

さて、私たち5人はそれぞれが違ったピッツアを選び、生地も違った物を注文しました。
大家の奥さんダニエラは全粒粉を、友達夫婦とジョン・クロードは普通の小麦粉を注文。
私はどうしようかと迷っていると、お店の人が
「メニューには載っていないけど、Canapa—カナパもあるよ」
と教えてくれました。カナパという粉の名前は聞いた事がなかったので分からないでいると、
「ほら、洋服の生地を作ったりする食物よ。それから、それをタバコのように吸う人もいるよ」
と友達やお店の人が一斉に教えてくれて、それでようやく、カナパというのは麻、大麻草だということが分かりました。
「カナパの生地のピッツアを食べた後は、きっともうろうとするんだよ」
と冗談を言って笑う友達でしたが、そんなことはないと思いながらも、少し心配になる私。
それでも、どんな生地が出てくるのか興味があり、私はカナパを注文してみました。
出てきたカナパの生地は、色が黒っぽく、でも柔らかくて、美味しく頂けました。心なしか、お腹がもたれないような・・・。
そして食べ終わった後は、当たり前ですが、幻覚などは出ませんでした。
カナパの粉は普通のお店では見かけませんから、食べたくなったらこのピッツェリアへ行ってみるしかないようです。

pizza

口の中に入れたモッツアレラチーズが長ーくとろけて、なかなか切れません。私の前にいる男性が、友達のマルチェッロ。手先が器用で、木を使って何でも作ってしまいます。横にいるのが奥さんのジョバンナ。

pizza

私の横でピッツアをほおばっているのが大家の奥さんダニエラ。私が食べているカナパの生地のピッツアを撮影し、娘に送信しようとしていますが、こちらの建物の壁が厚くて、ネットの接続が出来ないようです。
ピッツアが大きいので女性陣は3分の1ほどを残しましたが、ダニエラとジョバンナはその後のドルチェはぺろっと食べていて笑えました。ドルチェを食べなかったのは私一人で、ジョン・クロードもマルチェッロも食べていました。こちらの男性はドルチェが大好きで、レストランでもちゃんと食べます。

kaki

我が家の周りに大きな柿の木があり、熟すまで待っていると鳥に食べられてしまうので、綺麗なオレンジ色になったら採るのですが、悲しいかなちょっと渋柿なのです。季節の果物ですから、どうにかして食べたいと思いネットで検索してみると、渋柿を甘くする方法がいくつか見つかりました。写真は、お湯の中に渋柿を入れて12時間から24時間待つ方法です。
これはとっても簡単で、本当に甘くなるので、大喜びしています。