Kiyomi D.

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サン・ダルマチオのお祭り

私達が住んでいるポマランチェ地区にある小さな町,サン・ダルマツィオで数日前,お祭りが開かれました。

palio Toscana

その目的の一つは、この辺は温泉が涌き出ている事で知られていますが,このポマランチェにはその温泉を利用して電気を起こしている大きな会社があります。E・N・E・Lと言いますが,この会社はイタリアで大きな電気会社の一つです。このE・N・E・Lが電気だけではなく,暖房もこの自然の力を利用してこの周りにある町に送ろう,というプロジェクトが数年前に始まりました。そして、このサン・ダルマチオに一番先に白羽の矢が当てられたのです。小道,裏道全部が掘り返され,暖房用のチューブが埋め込まれました。そしてめでたく,今年その作業が終ったのです。坂道ばかりのこの町の小道,裏道は真新しい,白い角石で覆われて,それでも中世の町の雰囲気は壊さずに,しっとりと出来上がっています。

palio Toscana

お祭りのもう一つの理由は,11世紀に造られたポマランチェ所有の城壁,「ロッカ・シラーナ」の数年に及ぶ復興作業がやっと終り,その城壁をスポットライトで毎晩照らし出す事になったのですが、そのオープニングも兼ねてのお祭りとなりました。

小さな町には回りからたくさんの人達がやってきて,あふれんばかりです。田舎の小さい町ですが,そのお祭りの為に特別な駐車場を用意し,そこから町まで登るミニバスも数台用意し、救急車もちゃんと待機していて,驚くほどの準備万端を整えていました。

palio Toscana

お祭りは午後5時から始まり,先ず中世の服装をした人達が,ドラムやトランペットの音楽付きで、昔ながらの行列を始めました。昔ながらの中世の服装ですが,驚くほど綺麗で立派なのです。そしてそのデザインの可愛い事。女性の服装もそうですが、男性の服装も,色取り取りのタイツを履き,長い上着がスカートのようにひだになってゆらゆらと揺れていて,袖のところもふんわりと膨らみ,そこから下に着た白いブラウスが少し覗いたりしていて,その込み入ったデザインにはびっくりです。いったいいつから、今の男性の服装がこんなに味も素っ気もなくなってしまったのでしょうね。

palio Toscana

行列が終ると,今度は若い人達による気品あふれる旗投げの技が繰り広げられました。汗を掻きながら,一生懸命旗を振ったり,投げ上げたりして,素晴らしい技を見せてくれます。観衆は皆大拍手でその技をたたえていました。

その後やっと,ポマランチェの市長やE・N・E・Lの社長がスピーチを始め,そして第1部は終りました。その後,広場に出来た長いテーブルで,トスカーナ名物のクロステイーニやオリーブ、ワイン,肉料理,ケーキなどがお祭りに集まった人達全員に振舞われました。私もオモシロ半分に,すごい人だまりの中に突入して,飲み物とクロステイーニを頂く事が出来ました。美味しかったです。

夜10時にライトアップされた城壁「ロッカ・シラーナ」を私達は自分達の部屋から見物、という事でその日の催しは終りとなりました。

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