Kiyomi D.

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エルバ島

エルバ島は内陸のように美術館や古い建築物、古い街並みを見に行くと言うよりも、エメラルド色の海や長い白い海岸で泳ぐ事や自然の風景を楽しむ為に行くところのようです。

elba toscana

エルバ島はトスカーナでは1番大きい島で、イタリア全土ではシチリアとサルデイニア島に次ぐ大きな島です。エルバ島にはピオンビーノからフェリーで1時間、水中翼船で約30分ほどで行く事が出来ます。海鳥のお供の船旅は快適です。フェリーの着く場所は数カ所ありますが、島で一番大きな町、ポルトフェッライオに着く船の数が1番多く、6月から9月にかけては1時間に1本は出ています。又マリーナ・デイ・カンポには空港もあり、イタリアやヨーロッパの町から乗り入れる事も可能です。
エルバ島は10kmの砂浜、4kmの小石の浜、3kmの絶壁があり、美術館、スポーツセンター、ダイビングセンター、ゴルフクラブ、乗馬の学校、帆船学校などが、モダンで、きっちり装備されている為、イタリア人は勿論ヨーロッパ人、得にドイツ人に人気があります。夏はフェリーも予約なしでは乗れない程沢山の人達が訪れます。私達が船に乗ったときはアメリカ人も沢山乗っていましたけれど。

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又、エルバ島のリゾート地などはサルデイニア島に比べて小規模で、まだまだ素朴で庶民的な所が残っており、そこもいいところです。
私は約20数年前にサルデイニア島の南にある大きな町カリアリから更に又南に下ったヴィラシッミヨスと言う漁港の町に3年間住んでいたことがあります。あの当時は小さな漁村で、その朝のうちに採った新鮮な魚を毎日メイン通りに並べて売っている、魚師の姿が見られましたが、その20年後、約5年ほど前に又遊びに行って見ましたら、なんとその町の変わっていることにびっくりさせられました。メイン通りやそこにあった教会などはそのままですが、ビーチに近づくに連れてホテルやレストランがびっしり並んでいるのです。20数年前のビーチはまだ旅行者にも知られておらず、村の人も余り泳ぎには来なかった為ほとんど誰も居らず、良く私達は裸で泳いだものですが、そんな事は今では夢のような事になってしまいました。ただし海だけは未だに透き通っていて綺麗でしたけれど。

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エルバ島の海も、本土からおよそ10kmしか離れていないのに、サルデイニア島の海と同じように透き通っており、とても綺麗です。あの透き通った水を見ていると、私は直ぐに入って泳ぎたくなってしまいます。3月の水はまだ冷たかったのですが、せめて足だけでもと靴を脱いで水に入ってみましたが、冬の間靴の中に閉じ込められていた足に砂地が大変心地よかったです。そしてホンの水際で小さな平目を見ました。砂地と同じ色を作り、隠れては泳ぎ、隠れては泳ぎしていました。

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さて、エルバ島と言えばナポレオンの流刑で有名ですが、元は紀元前6世紀に航海する人達の目当てとなり、それからエトルリア人が住み始め、そこで鉄や銅等を採掘し、後4世紀まで大変発展した所です。更に御影石まで採掘されるようになり、その石はローマにあるサン・ポール教会にも利用されたそうです。こういった豊かな採掘物の為、その当時地中海全域を支配していた古代ローマ人がエルバ島に目をつけ、エトルリア人の豊かな生活に嫉妬し、征服するだけではなく破壊してしまったのです。歴史を見ていると分りますが、エトルリア人と言う人種は自給自足で、人々との争いがなく、いつも仲良く楽しく住んでいたようですが、そこへ古代ローマ人がやってきては嫉妬の為、村を破壊して回ったようです。その後エトルリア人がどういう風に地上から消えてしまったのかは未だに謎のようですが、古代ローマ人に圧力をかけられて、どこかへ逃げ出した事は確かなようです。そしてその後も海賊によるダメージと共にギリシャやピサ(要塞が出来た)そしてジェノバ、更にスペイン、イギリス、フランスなどが豊かなエルバ島を手に入れようと争ったのです。

そして、ここで登場するのがナポレオンです。1814年5月4日に彼はエルバ島に到着しました。そして発見したのがフランスに統合されてはいるが、しかし長い争いの中に巻き込まれてすっかりくたびれてしまっているエルバ島だったのです。世界中を征服した偉大な人、ナポレオンですが、この小さな島にたどり着き、そこで疲れ切っている住民に力と希望を与える事に貢献したのです。彼が島に到着してそして去って行った1815年2月26日までの9ヶ月の間、彼は道を作り、規則を作り、行政上の取り締まり、住民の健康管理、道徳の促進、鉱業のサポートなどを行ったのです。到着から、国外追放又は処刑になるかもしれない間の9ヶ月間に、彼は住民を統合し、明るい希望をもたらしました。こうして彼は住民と誠実な強い関係を結んだのです。そうして今でも、毎年5月5日にはナポレオンを褒め称える為のミサがミセリコルデイア教会で開かれています。

彼が島を去っていってもエルバは彼を決して忘れないのです。

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