ホーム     フランス便り     プロファイル


ブッラータとピッツア

2日前の週末、私は久しぶりにピッツアを作りました。イタリアを出てから1年半ぶりのピッツアです。
こちらカルカソンヌに来てから一度だけ、お店のピッツアを食べたことがあります。
カルカソンヌの駅裏通りにある小屋のようなお店で、窓口だけがあり、そこで注文してお持ち帰りする形のピッツア。小屋の前には薪で焼くピッツアと書いてあり、カルカソンヌの街中では一番美味しいピッツアを作るらしいのです。
車で通るたびに見ていた私たちは、一度行って見ることにしました。

ピッツアが焼きあがるのを待つ間、私は窓口付近で店内(屋内)を見ていました。
薪でピッツアを焼くのがこのお店の自慢ですから、奥には使い込んだ釜が見えます。うん、いい感じ。
窓口の左側にはゲンコツ大のピッツア生地が並んでいました。
そこへ新しく注文が入ったようで、お店の奥さんが生地の一つを持ち上げて、側にある大きなパスタ機械のようなものにその生地を差し込みました。
機械に押し込まれた生地は、グニュ~ンと丸くて平たいピッツア生地の形になって出て来たのですが、これを見たとき、うう~~ん、本当に美味しいピッッツアだろうか・・と疑問が私の頭に浮かびました。
私の知っているイタリアのピッツア屋さんたちは、どこのお店でもそうでしたが、ピッツア生地を手で広げていました。少し麺棒を使い、そのあとはまた手で適当な大きさになるまで広げます。生地を空中に放り投げて形作る器用なピッツアイオーロもいますよね。
そういう風にピッツアの生地を丁寧に扱うピッツア屋のピッツアは、どこでも美味しいのでした。

平たい生地にトマトソースをペタペタと塗ったピッツアは、さて焼き上がり、私たちは急いで家に持ち帰りました。我が家まではほんの数分でしたが、ピッツアはもう冷めかけています。でも、美味しいピッツアなら少々冷めても美味しいものです。
さぁ、どんなピッツアだろうと私とジョン・クロードは期待を膨らませて食べて見ると、うん?久しぶりのピッツアなのに感動しません。 もう一口、またもう一口と食べて見るも、うう~~ん、美味しいとは言えない。
きっとフランスでピッツアを食べようと考えたこと自体が間違っていたようです。もう絶対にフランスではピッツアを食べない、ピッツア屋には入らないと、この時二人で決めたのでした。

ところが数日前、どういう訳かモッツアレラチーズの話が私たちの間で出て、モッツアレラといえばカルカソンヌにある高級食料品店にイタリア産の水牛のモッツアレラチーズが売られていたね、そうだ、久しぶりに手作りのピッツアを食べようか、という話の流れになって行きました。
結局、水牛のモッツアレラチーズは売り切れだったのですが、イタリア産のブッラータ(Burrata)というチーズがあったので買って見ました。名前は聞いたことがあったのですが、買うのは初めて。

さて、買って来たブッラータを包装箱から出して見ると、形は巾着状で、半分に切ってみると中からフレッシュチーズが溢れ出てきました。ちょっと味見をしてみると、味はかなり淡白。オーブンで焼くよりも生で食べた方が美味しいかなとは思いましたが、今回はピッツアに使用。でも、あまりに新鮮なので、焼き過ぎないようにとピッツアが焼きあがる3~4分ほど前にピッツアに乗せて焼き上げました。

久しぶりのピッツアでもあるし、私たちのお腹も空いていたのですが、一口食べた私たちは、あまりの美味しさに思わず二人して唸ってしまいました。笑
それからはもう無言。時々、う~~ん、美味しい、と言うと、また無言で食べ続ける私たち。
結局、いつもはトレーの半分だけ食べるピッツアを、今回は全部食べてしまった二人です。ちょっとびっくり・・・。
でも、ピッツアに使ったトマトソースは、私がイタリアのトスカーナで覚えて来たソースなので、我ながら本当に美味しいのです。
このトマトソースと新鮮なブッラータのおかげでしょうか、久しぶりに美味しいピッツアを堪能した私たちでした。
また食べようね、とジョン・クロードが言っています。笑

pizza

こちらがブッラータ。中にフレッシュチーズが入っています。

pizza

ブッラータが入っていた容器。2日後が賞味期限で、開けたらすぐに食べるようにと書かれています。イタリア産。その昔、ブッラータがあまりに新鮮すぎて、他の国に輸出することは考えられなかったようですが、空輸ができる時代になり、フランスでも手に 入るようになりました。

pizza

トレーに乗った、ほうれん草とブッラータだけのピッツア。写真を写そうと思った時は、すでに半分を食べ終わって いました。 いつものことです。フッ・・。

みなさま、今日も素敵な1日をお過ごしください。